インスタグラムのリール(Reels)とは、アプリ上で90秒以下の短尺動画を作成してシェアできる機能です。動画は画面全体に表示され、縦にフリックすると次の動画を再生できます。
フォロワー以外にも広く発信できる性質があることから、ブランド浸透を狙う企業アカウントによる投稿が盛んなことも特徴です。もちろん個人ユーザーが新規フォロワーを獲得するにもとても効果的なサービスであり、2020年8月の発表より数度のアップデートを経て、現在(執筆時点2022年9月)に至るまで人気のサービスとなっています。
当記事ではインスタグラムのリールについて、初心者でもすぐに利用を始めてリールの楽しさを感じられるように、特徴や使い方を徹底解説していきます。
目次
1 インスタグラムのリールとは?
インスタグラムのリール(Reels)とは、アプリ上で短尺動画を作成してシェアできる機能です。もし「TikTok」や「YouTubeショート」をご存じであれば、とてもよく似たサービスと考えて差し支えありません。
つまり、このような動画を発信、共有できるサービスです。
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1.1.【リールの主な特徴】
- 動画の再生時間は最大で90秒。全てが静止画でもOK。
- 音楽、エフェクト、テキストなどの編集が加えられる。
- 自分のアカウントのフォロワー以外にも発信できる。
- ストーリーとは違い、リール専用の表示タブがあるため発見されやすい。
- ストーリーにもシェアすることができるが、最初の15秒間しかプレビューされない。
- 「いいね」の数は誰でも確認できる。
- インスタグラムの通常投稿と同じく、2200文字もの長文を入力できる。
- リールのみに投稿するか、フィードにも合わせて投稿するかを選べる。
なおインスタグラムの公式アカウントからは、良いリールとは以下のような要素を持つ動画であるとアナウンスされています。
DO POST A REEL THAT
- is entertaining and fun (i.e. it delights people, grabs their attention, makes them laugh or has a fun surprise or twist).
- is inspiring (i.e. starts a trend that others can easily participate in).
- uses creative tools like text, filters or camera effects.
- uses vertical video; horizontal videos are typically not as easy to recreate.
- uses music from the Instagram music library and/or original audio you create or find on Reels.
- is an experiment! Try something new, be yourself and see what works for you.
- 人々を喜ばせ、驚かせ、楽しませ、笑顔にするような、おもしろおかしい動画
- 誰でもが簡単に参加でき、トレンドを引きこせるような興味深い動画
- テキスト、フィルターやカメラエフェクトなどのクリエイティブツールを使った作品
- スマホの縦向きで見ることのできる動画
- ミュージックライブラリやリールで作成&検索されたオリジナルの楽曲が使用された動画
- なにかしら新しい体験を共有する動画
要点をまとめると、縦画面で撮影した魅力的な映像に、音楽につけてトレンドを生み出そう!といった大志がリールには込められています。
1.2.リールはフォロワー外へも遡及効果がある
リールの最大のメリットは「フォロワーではないユーザーにも届き、バズを引き起こす可能性がある」という点です。
リール専用タブにはユーザーの好みに合わせ、ジャンルごとに人気のあるリールが表示されます。さらにはハッシュタグ検索による露出も見込めるため、発信者が予想もしなかったようなユーザーに動画を届けられる柔軟性を持ちます。実際に、人気あるリールの再生回数は数千万回にものぼることがあります。
そしてリールをきっかけに興味を持ってくれたユーザーを、自然にアカウントのフォロワーにつなげることができるため、この特性は自社商品やサービスを売り込みたい企業にとって歓迎すべきものです。そんな背景から、明確な目的をもった企業アカウントによる投稿に向いた発信ツールとして重宝されているようです。
2.TikTokやYou Tubeショート動画とリールの違い
では、リールと他社の動画共有サービスとの差別点はなんでしょうか?
リールの類似サービスには、短尺動画の流行を生み出した「TikTok」や、世界最大のプラットフォームであるYouTubeが提供する「YouTubeショート」などが挙げられます。どれも非常によく似たサービスではあるものの、発展経緯が異なることからサービス特性にも若干の違いがあります。
※ただし、動画プラットフォームは非常に進化の早いサービスですので、ほんの数か月で性格が変わることも珍しくありません。あくまで参考情報として捉えてください。
2.1.ユーザー層と利用目的が異なる
ザックリと言えば、Tiktok、リール、YouTubeショートはそれぞれ、土台となるサービスが当初強みとしていた特徴をそのまま残した文化を持ち、ユーザーの棲み分けがなされています。もちろん絶えずサービス間での競争があり、同じ動画がすべてのプラットフォームに投稿されていることも珍しくないものの…以下の基本特性がありそうです。
- 「暇つぶしの娯楽動画」からスタートしたTiktok
- 「オシャレな写真を共有」の性格が色濃く残るインスタグラム
- 「ジャンルを問わず長時間の動画需要を取りつくそうとする」YouTube
その裏付けとして、Tiktokでは暇つぶし、リールではトレンドリサーチをする層が多い、との統計調査が公表されています。
参考記事:PRTIMES【調査】TikTok vs リール 実際に使われているのはどっち?23万フォロワーに聞いた意外な結果
また筆者が行った実験では、フォロワー数はゼロの状態から同じ動画をリールとYouTubeショートに同時にアップロードしたところ、1日経過時点での再生回数はリールが1,000回程、YouTubeショートは3回程度と大きな差がつきました。どちらもフォロワーはゼロの状態からスタートしています。
この結果からは、YouTubeは目的をもって視聴する動画を選択するユーザーが多いため、ある程度フォロワー(チャンネル登録者)が増えるまでは、拡散力があまり見込めないことが読み取れます。一方でリールであれば、新参者の動画でもバズを引き起こせる可能性が比較的高いと言えるでしょう。
2.2.リールには小規模なビジネスアカウントが多い
YouTubeには大企業のビジネスアカウントが多く、リールやTiktokには中小事業者のアカウントが多い傾向にあります。
チャンネル登録者が増えるまでは拡散力が見込めないYouTubeとは異なり、比較的新しい市場であるリールやTiktokには、すぐにでも動画を拡散できる下地があります。短尺動画のため作成にも手間がかかりにくいことから、小規模ビジネスのサービスをピンポイントで見込み客に宣伝するのに有効であるようです。同じ理由から、ツイッターやBrainで活躍するインフルエンサーが、横展開としてアカウントを構えるケースも多いです。
2.3.リールなら人気動画のテンプレートをそのまま流用できる
2022年6月に搭載されたリール特有の新機能として、「テンプレートを使用」という便利なボタンが追加されました。
この機能は、今見ている動画のカット割りと音楽をそのままテンプレートとして使いまわすためのものです。つまり、カッコいいと感じた動画を、あっというまに自分の作品としてコピーできてしまうのです。
以下に操作方法をご紹介します。
Step1
閲覧中のリールに現れる「テンプレートを使用」というボタンを押しましょう。
Step2
「メディアを追加」「メディアを追加」を押してください。 このテンプレートは三つの画像で構成されていたようですので、画像の差し替えを行います。
Step3
テンプレートの構成に沿った画像を選択し、「次へ」を押します。
Step4
画面右上にあるボタンを使って編集を加えます。
お好みにカスタマイズするもよし、テンプレートをそのまま使ってもよしです。
ボタンの機能は左から順番に、以下の内容です。
- 音楽の挿入と編集(当初はテンプレートと同じ内容)
- 文字入力
- GIFの挿入
- フリーハンドツール
- 色彩詳細ツール(全体に映画のような色彩調整を加えられます)
編集が終わったら「次へ」を選択しましょう。
Step5
投稿直前の最終調整をします。
- カバー写真の変更
- フィード(リールだけではなく、投稿履歴を一覧できる画面)でもシェアするかの選択
- 位置情報や人物をタグとして追記するか
ハッシュタグはテンプレートに含まれませんので、必要に沿って入力してください。最初のうちはあまり気にしなくてもよいですが、この設定の調整でもリールの「発見されやすさ」が変わってきます。
設定を終えたら「シェア」を押して投稿を完了させましょう。
たったこれだけで、お好みのテンプレートを流用したリールを投稿できます。
とても簡単でしょう?
最初のうちはオリジナルの編集にこだわらず、良いと思ったリールのテンプレートをどんどん流用するのがオススメです。人気が出る動画の「型」を取り入れるれば、すぐに良い反応が出るので動画投稿が楽しくなりますよ。
インスタグラムでは過去にも「リミックス」という動画を引用して自分の作品に組み込むための機能はありましたが、動画テンプレートをそのまま流用することはできませんでした。初心者が気軽にリールを作れるようにするために整備された機能ですので、積極的に使用していきましょう。慣れている人ほど、テンプレートを駆使してリールを量産しているものです。
※ 注意点として、一見するとテンプレートがありそうなリールだとしても、他アプリで編集された動画の場合は「テンプレートを使用」のボタンが表示されません。あくまでインスタグラムのアプリ上でテンプレート加工されたものに限ります。
関連記事:
バズるリールの作り方|コツやおすすめアプリランキングを紹介>>
AndroidとiPhone用のInstagramリールダウンローダー>>
Instagramリールを編集できる無料の動画編集アプリ>>
3.テンプレート使わずにリールを投稿する方法
続いて、テンプレートを使わずにオリジナルのリールを投稿する方法をご紹介します。
この手順に従えば、はじめての方でも数分でリールデビューできます。
Step1
インスタグラムのトップ画面から、画面右下のユーザーアイコンをタップします。
Step2
アカウントの管理画面が表示されたら、画面右上の作成(+マーク)をタップます。
Step3
作成画面からリールを選択します。
Step4
左下の+ボタンからリールにしたい動画や画像を選び、中段左のボタン群から細かな編集加えていきましょう。編集ボタンは直感的に操作できるほどカンタンですので、項目ごとの操作手順は割愛します。
Step5
編集が完了したら、画面右下の次へボタンをタップします。
例示した画像では、家族写真に音楽とGIFの装飾を加えています。
Step6
最後に体裁を整えて、シェアボタンを押せば完了です。
以下の項目は未入力のままでも大きな問題はありませんが、投稿した後に変更することも可能です。
- カバー写真の変更
- フィード(リールだけではなく、投稿履歴を一覧できる画面)でもシェアするかの選択
- 位置情報や人物をタグとして追記するか
それぞれがリールの発見されやすさに多少影響を与える項目ですので、慣れてきた後に工夫してみるとよいでしょう。まずはどんどんリールを投稿し、身体で操作方法を覚えてしまうのが一番の近道です。
4.インスタでリールの再生数を伸ばすコツ
おすすめ表示される質の高いリールを作るには、以下の点を意識してください。
4.1.出だし1~2秒が勝負
短尺動画を眺めているユーザーは、最初の1~2秒で興味を惹かれなければすぐに次のリールに移動してしまいます。思わず先が気になってしまうような映像や文章となるよう、起承転結が生まれるようなギミックを考えてみましょう。
4.2.圧倒的なテンポの良さ
バズるリールはほとんどの場合、息つく暇もないようなテンポの良い動画ばかりです。
早送りや(逆に)スローモーションをうまく活用するなどし、視聴者の注意が途切れないようにメリハリのある視聴感を目指しましょう。機能上は90秒間までの動画を投稿できますが、~10秒程度までの短い動画がポピュラーです。
4.3.サムネイル(最初の画像)も重要
再生時点の絵面にておおよその内容や展開がイメージできると、再生回数が飛躍的に伸びます。YouTube動画などのサムネイルと全く同じ要領で、冒頭にてユーザーに疑問や期待を与えて、動画の後半でそれを巧みに回収できると効果的です。そんなワクワクを求めるユーザーが、リールタブを通してあなたの作品を発見してくれるでしょう。
4.4.BGMは実績があるものをチョイス
BGMはリールの雰囲気を左右する大切な演出です。
しかし、慣れないうちはオリジナルの音源よりもすでに流行っているものを選んだほうが無難です。
すでに人気のある音楽を選べば、
- より多くの人の心に届くことが実証されている(ハズレがない)。
- 単純接触効果(人はたくさん触れたものに安心感や愛着を覚える)を利用できる。
- 「この系統の動画か…」と安心感を与えられる。あるいは逆に予想を裏切れる。
- 実績があり動画や映像と合わせやすい。もしくはテンプレートで音ハメが完成している。
などの恩恵を受けることができます。
リールは使用音源がすぐに確認でき、そのまま流用することができるので、まずは実績のある楽曲を採用することを推奨します。
5.ステキなリール作品の事例紹介
では、リールを成功させるコツを踏まえて、多くの支持を集めたリールを3つご紹介します。
まずはインスタグラムの公式クリエイターズアカウントより、1,200万回再生されたシンプルな作品です。
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飾り気のない15秒程度の独白ですが、世界中の女性の心をつかんだ名演説です。
冒頭で視聴者の心をつかみ、そのままの勢いで最後まで疾走した良い例ではないでしょうか。音楽は設定がないものの、その静寂さが逆に強い個性を醸し出しています。
続いて、100万回再生を連発する人気アカウントより、「お弁当の詰め方」と題されたリールです。
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圧倒的なテンポの良さとロックなBGMが、お弁当を詰める映像に見事にマッチしています。
流し見するだけでお弁当作りが上手になる、とてもクリエイティブで品のあるリール作品です。
最後に「150cm前後の小柄女性向けブランド」と明確なターゲットを持つアパレルブランドさんの投稿です。
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一目でターゲットへの価値提供が理解できる優れた構成です。
音楽の小気味よさと音ハメを駆使した映像の切り替えが、メッセージを快適に視聴者へと届けてくれます。
6.専用の編集アプリでクオリティに差をつけよう
インスタグラムは直感的に操作できるように作られています。SNSに慣れた方なら、リールを作成してアップするのにはさほど苦労しないでしょう。
それでも、使用できるのが簡易的な動画編集機能だけでは、いつか物足りなくなる時が訪れます。そんな時な専用の動画編集ソフトを導入してみましょう。
「でも動画編集ソフトは扱いが難しそう…」
と心配しているあなたには、ぜひ「Filmora」をオススメしたいと思います。
関連記事:【リールやTiktokの投稿に】Filmoraでショート動画を作る㊙テクニック5選
『Filmora』は無料でほとんどの機能を試せる上、とにかく使いやすさに特化した動画編集ソフトです。まだ歴史は浅いものの、直感的なインターフェイスが作り込まれており、感覚だけで操作方法を覚えてしまえるほど、洗練された作りになっています。もし、あなたが「動画編集を学んでみたいけど、スキルを身につけられるかが不安」という状況であれば、迷わず『Filmora』をオススメします。
お値段は以下のとおりです。
アドビプレミアプロなど、古くから使われているソフトより総じて安価です。
出力した動画にウォーターマーク(ロゴの透かし)が入るものの、無償版でも大半の機能を使えますので、お試しで使ってみたい初心者に親切なサービス体系になっています。欠点としては、まだ新しい編集ソフトであるために普及度が低い点が挙げられます。
しかし、編集ソフト同士の互換性や操作性は統一化が進んでおり、実務上はそれほど問題になりません。世間の目などを気にせずに、ご自身のフィーリングで好みの編集ソフトを選ぶことが、より優れたクリエイターになるための近道です。
他にも『Filmora』には、
- キャッチーな演出を生むために便利な「逆再生機能」
- 横長の動画をスマホサイズに自動調整してくれる「オートリフレーム」
- リールへ動画を投稿するために、文字の余白を調整できる「フレームガイド」
- 複数のプラットフォームへ一斉に動画を配信するための「クラウドストレージ出力」
などの機能が揃っています。
→ Filmoraを使ったインスタのリール動画の編集テクニック
もしインスタグラムの編集機能に物足りなさを感じてきた時には、作品をさらにワクワクさせる演出を加えるために、次のステップで進んでみてはいかがでしょうか。
7.まとめ
インスタグラムのリールについて、初心者の方向けに詳しく解説させて頂きました。
リールをはじめとした短尺動画には、ユーザーの特性やヒットしやすい動画のフォーマットがあることは確かです。しかし、どうかあなたが情熱を感じられる動画作品を…スキだと感じる演出を大事にしてください。あなたが面白いと思うのなら、他にもそれを面白いと思う方が大勢いるはずです。動画プラットフォームは、そんな仲間たちを世界中から募るための仕組みでもあるのですから。結局のところ、「培ったスキルや楽しい出来事を、世界中にシェアしたい!」という気持ちに勝るクリエイティビティはありません。
最期までお読み頂きありがとうございました。
ではまた、次の記事にて。
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