Seedance 2.0とKling 3.0は、現在もっとも注目度の高いAI動画生成モデルの代表です。機能だけを見ると、マルチモーダル入力、ネイティブ音声生成、マルチショット対応、シネマティックな出力など、AI動画に求めたい要素をどちらもほぼ備えています。
ただし、動画生成への考え方は大きく異なります。Seedanceは「監督」のように構成を組み立て、Klingは「物理シミュレーション」のように動きや質感を詰めていく印象です。そこで今回は、Seedance vs Klingを実際に比較し、分かったことをまとめました。

要点まとめ
- Seedanceは現在、AI Video Arenaのランキングで1位、Kling 3.0は9位に位置しています。
- Seedance 2.0は、画像・動画・音声・テキストを含む最大12個の参照素材を入力し、出力を細かく誘導できるため、監督のように精密に制御したい用途に向いています。
- Kling 3.0は、シネマティックな動き、物理表現の正確さ、最大6ショットを個別に定義できるマルチショット設計に強みがあります。
- Klingは始めやすい価格で、毎日無料クレジットも提供されています。
- Seedanceはクレジットを繰り越せるため、利用頻度が高いユーザーにはコスト面で有利になりやすいです。
Part 1. Seedance vs Kling AIの比較一覧
| Seedance | Kling | |
| 最新バージョン | Seedance 2.0 | Kling 3.0 |
| 開発元 | ByteDance | Kuaishou Technology |
| 動画の長さ | 1ショットあたり4〜15秒 | 3〜15秒(最大3分まで延長可能) |
| 解像度 | 最大1080p | 最大4K 60fps(Multi Shotモード) |
| 入力方法 | テキスト、画像、動画、音声 | テキスト、画像、動画、音声 |
| 最大入力ファイル数 | 最大12個(画像9点+動画3点+音声3点) | 複数の画像・動画参照に対応。キャラクター抽出には3〜8秒の動画を使用 |
| 音声生成 | ネイティブな音声・映像同期、8言語以上のリップシンク | ネイティブ音声、6言語以上のリップシンク |
| 料金 | 700万Tokensで30.10ドルから、またはDreaminaサブスクリプション経由で月額18〜84ドル | 月額6.99ドル(Standard)から月額127.99ドル(Ultra)まで |
Part 2. Seedanceとは?
SeedanceはByteDanceのAI動画生成モデルで、現在は第2世代のメジャーバージョンであるSeedance 2.0として展開されています。テキスト、画像、音声、動画入力に対応するマルチモーダル構造を採用し、同社が「業界でもっとも包括的なマルチモーダルコンテンツ参照・編集機能」と呼ぶような柔軟な生成ワークフローを備えています。
プロンプトを入力して結果を待つだけの使い方に慣れている場合、Seedance 2.0のOmni Referenceシステムは大きな違いになります。最大12個の参照ファイルをアップロードし、プロンプト内で@タグを使って各素材を指定できるため、モデルに「どの素材から何を参照するか」を明確に伝えられます。
このマルチモーダル参照ワークフローにより、Seedance 2.0の出力は「演出された」動画に近い印象になります。2026年4月時点では、Artificial Analysis Video Arenaでテキストから動画生成(スコア:1,460)と画像から動画生成(スコア:1,454)の両方で1位を獲得しています。
- Omni Reference(最大12個の参照素材): Seedance 2.0は、画像9点、動画クリップ3点、音声ファイル3点を含む最大12個の参照ファイルを同時に扱えます。
- マルチショットシーケンス: 1回の生成で、カット、アングル、テンポを含む最大15秒の構造化されたマルチショット動画を作成できます。
- キャラクターの一貫性:Seedance 2.0は業界トップクラスのID保持技術と構図解析技術を導入しており、ショットをまたいでも顔、服装、ビジュアルスタイルを保ちやすく、キャラクターを認識しやすい状態に維持できます。
- ネイティブな音声・映像同期:多くのAI動画モデルと異なり、Seedance 2.0は動画と音声を同時に生成し、セリフ、環境音、効果音を映像の各フレームに合わせて自動作成します。
- 8言語以上のリップシンク: 英語、中国語、日本語、韓国語などを含む多言語リップシンクに対応しています。
- 動画編集と延長:生成済み動画の最終フレームをもとに新しいプロンプトを入力すると、AIが文脈に沿って続きのフレームを生成できます。
Seedanceを使う方法
Seedance 2.0はいくつかの経路で利用できますが、提供地域は現在も段階的に拡大されています。
- Dreamina経由:ByteDanceのAIクリエイティブプラットフォームで、Seedance 2.0の主要な利用入口です。
- CapCutアプリまたはデスクトップ版経由: ByteDanceは複数地域の有料ユーザー向けに、CapCut内でSeedance 2.0を順次展開しています。
- 連携プラットフォーム経由: Seedance 2.0は、Wondershare FilmoraのようなAI動画編集ソフトでも利用できます。
Part 3. Klingとは?
Kling AIは、中国のショート動画アプリKwaiを手がけるKuaishou Technologyが開発したクリエイティブプラットフォームです。公開以来、Klingは6億本以上の動画を生成し、Tech in Asiaの報道によると、2025年12月には年換算売上2億4,000万ドルに到達しています。
Seedance 2.0が本格展開される前から、最新バージョンのKling 3.0は、特にモーション制御とマルチショット生成の品質で大きな注目を集めています。現在、v3.0は画像から動画を生成する機能においてArenaランキング9位、スコア1,358を記録しています。
- Multi-shot AI Director(マルチショット演出) :Kling 3.0では、1回の生成内で最大6つの異なるショットを指定できます。各ショットの尺、フレーミング、カメラワークを個別に設定できます。
- Motion Control(モーションコントロール):シーン内のオブジェクトやキャラクターがどのように動くかを細かく制御できます。特定の被写体に対して、動きの経路や速度を定義できます。
- Omni(被写体・スタイル参照): KlingのOmniモデルは、SeedanceのOmni Referenceシステムに近い仕組みです。参照する被写体やスタイルを指定し、生成をまたいで一貫性を保てます。
- ネイティブ音声:Kling 3.0は動画と同時に音声を生成し、正確なリップシンク付きの会話、サウンドデザイン、自動ナレーション生成、画面上の動きに対応した環境音などを含められます。
- 6言語のリップシンク: 対応言語には英語、中国語、日本語、韓国語、スペイン語などが含まれ、アクセント制御や複数キャラクターの会話にも対応しています。
Klingを使う方法
- Kling公式サイト(klingai.com)から利用できます。
- 連携プラットフォームやAPIは、klingai.com/devから利用できます。
Part 4. Seedance 2.0 vs Kling 3.0 動画品質テスト
Seedance 2.0とKling 3.0は、どちらも高い動画品質で知られています。ここからは、実際の出力で比較してみます。
両方のモデルに同じプロンプトを入力して、どのような違いが出るかを確認しました。条件は、ピンクのフーディーを着た男性が暗いトンネルの中をカメラに向かって歩いてくる、手持ちカメラ風のショットです。超リアルで、シネマティックなダークスリラー調の雰囲気を指定しました。結果は以下のとおりです。
Seedance 2.0:
Kling 3.0:
Seedance 2.0 vs Kling:動きと音声
どちらのモデルも、このプロンプトにはうまく対応しました。人物の歩き方はどちらも自然で、体の動きに合わせてフーディーが揺れる表現もリアルです。ここで特に差が見えたのは、リップシンクでした。
両方のツールに同じセリフを話すよう指定しましたが、Klingの口の動きはSeedance 2.0より少しズレて見えました。Klingの結果は、あとから音声を重ねたような印象があり、一方でSeedanceの結果は、キャラクター本人が実際にそのセリフを話しているように感じられました。
勝者:Seedance 2.0
Seedance vs Kling 3.0:カメラワークとライティング

どちらのモデルも、「手持ちカメラ」と「ダークスリラー風のライティング」という指示をかなりよく解釈していました。Kling 3.0は、よりシネマティックな見た目に寄せています。動きや色づくりには、多くの人がKlingの強みとして挙げる特徴が表れています。Seedanceの出力も近い仕上がりでしたが、このテストではライティングの細部がわずかに控えめでした。
勝者: Kling 3.0
Seedance 2 vs Kling 3:マルチショットシーンの一貫性
マルチショット出力におけるシーンの一貫性については、両モデルの別サンプルも確認しました。
Seedance 2.0:
Kling 3.0:
確認した限りでは、どちらもOmni参照システムによって、カメラアングルや環境が変わっても被写体の一貫性を保ち、まとまりのあるシーンを作成できていました。ただし、マルチショットシーケンスを計画する柔軟性ではKlingが優れています。専用のマルチショットインターフェースがあり、各ショットを分けて個別に定義できるためです。
Seedanceには、このような構造化されたショット設計ツールはありません。プロンプト内で「@video1」「@video2」のようにショットを指定するため、セットアップは速い一方で、各カットの位置をどこに置くかという精密さはやや限定されます。
勝者:Kling 3.0
Part 5. Seedance vs Klingの料金とクレジット体系
Dreamina上のSeedance 2.0は、トークンベースのリソースパック制で動作します。これらのクレジットは失効せず、月をまたいで繰り越せます。料金は3つのプランで段階的に上がります。
| Lightプラン | Productionプラン | Premiumプラン | |
| 料金 | 700万Tokensで30.10ドル | 1,000万Tokensで43ドル | 1,300万Tokensで55.9ドル |
| 生成できる動画数* | 480P動画 約28本 | 480P動画 約40本 | 480P動画 約52本 |
| 動画の長さ | 4〜15秒 | 4〜15秒 | 4〜15秒 |
*)動画生成では、解像度、尺、フレームレートに応じて消費トークンが変わるため、上記のSeedance料金はあくまで実用上の目安です。720Pや1080Pで生成すると、同じパックで作れる動画数は少なくなります。音声も追加コストになります。
Klingの料金は月額、年額、買い切りに分かれており、初回価格は更新時に上がる場合があります。年額プランを契約する前に細かい条件を確認しておきましょう。
| Standard | Pro | Premiere | Ultra | |
| 料金 | 月額6.99ドルまたは年額120ドル | 月額25.99ドルまたは年額444ドル | 月額64.99ドルまたは年額1,104ドル | 月額127.99ドルまたは年額2,160ドル |
| 月間クレジット | 660 | 3,000 | 8,000 | 26,000 |
| 4K動画生成 | ||||
| 動画延長 |
買い切りに近い短期プランとしては、Standardを週1.19ドルで利用できます。
Seedance vs Klingの無料クレジット
Klingでは毎日66クレジットが付与され、Standardモードなら1日あたりおおよそ1〜2本の実用的な動画に変換できます。無料動画にはウォーターマークが入り、混雑時間帯には生成できない場合があります。
一方、Dreaminaでは通常毎日225トークンが付与され、Seedance 2.0でも1〜2本程度の短い動画生成に使えます。ただし、生成機能を有効にするには有料サブスクリプションが必要なため、無料クレジットは単独の無料プランというより追加分に近い位置づけです。
コストパフォーマンスが高いのはどちら?

答えは、どれくらい頻繁に生成するかで大きく変わります。Seedanceと比べるとKlingは始めるための費用が低く、クレジットカードなしで無料体験できます。一方で、定期的に生成するなら、Seedanceはクレジット単価の価値が時間とともに維持されやすいです。
コストを重視してSeedance vs Klingを選ぶなら、以下のように考えると分かりやすいです。
- 生成量が多く、作業量を予測しやすい場合は、Seedanceの繰り越し可能なクレジットのほうが予算管理しやすくなります。
- 軽い利用や不定期の利用なら、Klingの低い月額入口価格と毎日の無料クレジットのほうが始めやすいです。
Part 6. 結論:Seedance vs Klingの強みと弱み
ここまでのテストと比較を踏まえて、両モデルについて分かったことをまとめます。
Seedanceのメリット・デメリット
- リップシンクがより自然で、リアルタイムに話しているように見えやすい
- プロンプト制御が強く、依頼した内容が比較的そのまま反映されやすい
- Omni Referenceにより、生成をまたいでもキャラクターの外見やスタイルを保ちやすい
- セリフ、効果音、ナレーションを含むネイティブ音声を動画と同時に生成できる
- クレジットを月ごとに繰り越せるため、未使用トークンが消えない
- 画像、動画、音声、テキストを1回の生成に組み合わせられるマルチモーダル入力に対応
- 専用のマルチショット設計ツールがなく、構造化されたシーケンス作成には手作業が増える
- 海外からの利用経路はまだ分散しており、主にDreaminaやCapCut経由で、地域制限もある
- 無料トークンだけでは動画生成に十分ではなく、有効な有料プランが必要
- 有料プランの入口価格はKlingより高め
- コンテンツ審査が比較的厳しく、認識可能な実在人物の顔は参照入力として使えない
Klingのメリット・デメリット
- Multi-shot AI Directorにより、最大6つの個別ショットを異なるアングル、尺、カメラワークで設計できる
- さまざまなライティング条件や雰囲気のあるシーンをうまく処理できる
- 水、布、表面の質感など、物理挙動や環境のディテールが説得力のある見た目になる
- Motion Controlで、フレーム内の被写体の動きを精密に制御できる
- 毎日66クレジットを無料で使える
- リップシンクがやや遅れて見え、あとから音声を追加したように感じる場合がある
- サブスクリプションのクレジットは請求サイクル終了時に失効し、繰り越しできない
- 混雑時間帯は無料で動画を生成できない場合がある
- コンテンツフィルタリングが厳しい
ボーナス:FilmoraでAI動画制作ワークフローを仕上げる
Seedance 2.0もKling 3.0も、生成品質は非常に優れています。ただし、優れたクリップでも一度で完璧に仕上がるとは限りません。小さな修正のたびに再生成してクレジットを消費するのは、効率的とはいえません。
細かな調整や仕上げを加えたい場合は、AI生成クリップをWondershare Filmoraと組み合わせ、納得できる最終出力になるまで編集しましょう。クリップのトリミング、背景差し替え、キャプション追加などは、Filmoraのような本格的な動画編集ソフトで処理したほうが速く、コストも抑えられます。
さらに、FilmoraのAI動画生成ツールは、編集タイムライン内でSeedance 2.0のほか、ToMovieeやVeo 3.1にも対応しています。複数のプラットフォームを行き来せずに、生成から編集まで進められます。
Filmoraで使える主な機能
- AI動画生成:Filmoraの編集タイムライン内で、Seedance 2.0、ToMoviee、Veo 3.1を使って直接クリップを生成できます。
- AI動画延長:AIを使って、クリップの数秒分を前後に自然に拡張できます。動画をアップロードし、延長したい内容をプロンプトで入力します。
- オートキャプション:音声を自動でテキスト化し、会話に同期した単語単位の動的キャプションを作成できます。
- AI 翻訳とリップシンク:AIで会話を翻訳し、異なる言語に合わせて口の動きを同期できます。
- AIオブジェクトリムーバー:映像から不要なオブジェクトを削除し、動画全体を再生成しなくてもクリーンでプロフェッショナルな見た目に整えられます。
- AI動画補正:ワンクリックで動画品質を高め、ぼかしを軽減しながら細部を補い、4Kへのアップスケールにも対応します。
まとめ
今回のSeedance vs Kling比較で試した範囲では、どちらか一方が絶対的に優れているとは言い切れません。AI動画生成は大きく進化しており、どちらのツールにも選ぶ理由があります。
Seedance 2.0の最大の強みは、プロンプト制御とリップシンク精度です。一方、Kling 3.0はシネマティックな動きとマルチショット設計に優れています。どちらが自分に合うかを見極めながら、生成したクリップはFilmoraで編集・仕上げれば、動画完成のために余計なクレジットを消費せずに済みます。
よくある質問
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1. Seedanceで動画を生成するにはどのくらい時間がかかりますか?
Seedanceの生成時間は、解像度、動画の長さ、プラットフォームの混雑状況によって変わります。実際に試した範囲では、動画生成には数分かかることがあります。Filmoraで生成する場合は、動画が完成すると通知を受け取れるため、その間に編集作業の別の部分を進められます。 -
2. 商用プロジェクトにはSeedanceとKlingのどちらが向いていますか?
一貫したキャラクター、精密なプロンプト制御、自然な会話が必要な商用制作にはSeedance 2.0が向いています。シネマティックで動きの多い商用動画、特にライティングや物理表現を重視する場合はKling 3.0が適しています。どちらも高解像度出力に対応しており、Klingは最大4K 60fps、Seedanceは最大1080pまで対応します。 -
3. SeedanceとKlingは無料で使えますか?
Klingはクレジットカードなしで毎日66クレジットを提供していますが、無料動画にはウォーターマークが入ります。SeedanceはDreamina経由で毎日の無料トークンを提供していますが、動画を生成するには有効な有料プランが必要なため、完全に無料とはいえません。 -
4. ReelsやTikTokのようなショート動画にはどちらが向いていますか?
どちらもショート動画に使えますが、会話が多い動画やキャラクター中心の内容ならSeedanceがやや有利です。SeedanceはTikTokを所有するByteDanceが開発しているため、TikTokとの親和性も高いといえます。
