撮影後に「被写体が画面の端へ移動してしまった」「人物が中央に収まっていない」と気付いても、カメラトラッキングを使えば編集でフレーミングを調整できます。ただし、名前の似たモーショントラッキングや平面トラッキングとは用途が異なります。
本記事ではカメラ・モーション・平面トラッキングの違いを比較し、それぞれの仕組みとFilmoraでの使い方を説明します。目的に合う機能を選べるようになることが目標です。

動画編集のトラッキングとは?3つの方式を理解
トラッキングは動画内の画素の動きを解析し、位置・拡大率・画角などの変化を自動で追う技術です。細かいキーフレームを一つずつ設定する作業を減らせます。
主な方式は、カメラトラッキング、モーショントラッキング、平面トラッキングの3種類です。

カメラ・モーション・平面トラッキングの違いを一覧で比較
いずれも動きを解析しますが、「何を追うか」と「どのような結果になるか」が違います。まずは3つの特徴を簡単に確認しましょう。
- カメラトラッキング:動く被写体がフレーム内に収まるよう画角を調整する
- モーショントラッキング:動く対象を追跡し、文字・画像など別の要素を追従させる
- 平面トラッキング:移動・回転・拡大・遠近変化する平面を追跡する
以下では機能ごとの用途を詳しく比較します。被写体を画面に収めたいのか、文字を追従させたいのか、平面に画像を貼りたいのかを考えると選びやすくなります。
3つのトラッキング機能の違いと得意な用途
3つともトラッキング機能ですが、目的を取り違えると作業が遠回りになります。主な違いを表で比較しておきましょう。
| 比較項目 | カメラトラッキング | モーショントラッキング | 平面トラッキング |
| 主な目的 | 被写体を適切な画角に収める | 動く対象に文字・画像などを追従させる | 動く平面に要素を貼り付ける |
| 追跡する対象 | 頭部・全身・カスタム範囲 | 画面内を動く点や物体 | 基準点で指定した平面 |
| 主な効果 | 被写体に合わせてフレーミングが変わる | 文字・画像・効果が対象と一緒に動く | 平面に沿って要素がずれずに表示される |
| 代表的な使い方 | 自動画角調整・縦型への切り出し・被写体を中央に保持 | 注釈・名前ラベル・顔のモザイク・テロップ | 画面差し替え・ポスター変更・壁や車体へのロゴ合成 |
| 向いている動画 | Vlog・ダンス・スポーツ・商品紹介・動きの速い映像 | 解説・商品ラベル・ミーム・プライバシー保護 | スマホ・PC画面・看板・平面に貼るロゴ |
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「トラッキング」という名称よりも、動画で実現したいことから選ぶのが近道です。それぞれの活用例を見ていきましょう。
カメラトラッキング|被写体に合わせて画角を調整

カメラトラッキングは映像の画角そのものを調整する機能です。追いたい人物・物体・範囲を指定すると、その対象がフレーム内に収まるように追従します。Filmoraでは「頭部」「全身」「カスタム」から対象を選べます。
活用例:
- ダンサーが大きく移動しても、画角が追従して人物を中央付近に保つ
- 固定カメラで撮影したスケートボーダーを、フレームの外に出ないよう追う
- 机の上で位置が変わる商品を、手作業のズームなしで中央に保つ
モーショントラッキング|文字や画像を追従させる

モーショントラッキングは、動く対象に別の要素を追従させる機能です。Filmoraでは、動画内の人物や物体にテキスト、画像、モザイクなどを固定して動かせます。
活用例:
- 話者の頭上に名前のラベルを表示し、移動に合わせて追従させる
- 通行人の顔にぼかしを追従させ、プライバシーに配慮する
- 画面内で動くカーソルや道具を、矢印で追いかけて説明する
平面トラッキング|画面・看板に素材を合成

平面トラッキングは、スマホ画面や看板など、面として動く部分を追跡する機能です。角度や遠近感が変わる画面を別の画像で差し替えたい場合に適しています。
Filmoraの平面トラッキングでは、4つの追跡点を使って平面の位置・拡大率・回転を解析します。その結果に合わせて動画、画像、文字、モザイクなどの要素を合成できます。
活用例:
- 歩きながら手に持ったスマホの画面を、アプリ紹介映像に差し替える
- 背景にある額入りポスターを、自作デザインへ差し替える
- 走る車の側面にロゴを貼り、車体の角度に合わせて傾ける
Filmoraで3種類のトラッキングを使う方法
3つの作業を別々のソフトで行う必要はありません。
Filmoraにはカメラトラッキング、モーショントラッキング、平面トラッキングが備わっています。同じ編集画面の中で、追跡したい対象や目的に合わせて機能を切り替えられます。

Filmoraでカメラトラッキングを設定する手順
被写体が画面内を移動する動画には、画角を自動で整えるカメラトラッキングが便利です。数クリックで処理を始められます。
設定後は再生して被写体の位置を確認しましょう。必要に応じてフレーミングを調整し、フィルターや音楽を追加して書き出します。
Filmoraでモーショントラッキングを使う手順
文字、絵文字、図形などを被写体と一緒に動かしたい場合はモーショントラッキングを使います。追跡枠を適切な位置に置くことが重要です。
Filmoraで平面トラッキングを使う手順
平面に素材を貼り付けたい場合は、4点で範囲を指定する平面トラッキングが適しています。ほかの2方式より少し設定が増えますが、シーンになじんだ合成ができます。
まとめ
3種類はどれも動きを解析しますが、カメラトラッキングは画角、モーショントラッキングは追従させる文字・画像、平面トラッキングは平面への合成を担当します。
Filmoraなら「頭部・全身・カスタム」を選べるカメラトラッキングに加え、文字を追うモーショントラッキングや4点で平面を追う平面トラッキングも利用できます。目的ごとに適切な方法を選びましょう。
よくある質問
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同じ動画にカメラトラッキングとモーショントラッキングを併用できる?
同じクリップで併用できます。たとえばカメラトラッキングで人物を中央に保ち、モーショントラッキングでその人物を追う名前ラベルを付けられます。 -
カメラトラッキングで横動画を縦動画に変換できる?
可能です。プロジェクトを縦長比率にすると、狭い画角でも被写体を中央に保ちやすくなります。余白には背景ぼかしを使えます。動画全体を素早く縦型にするなら「オートリフレーム」も選択肢です。 -
AIトラッキングには高性能なGPUが必要?
必ずしも高性能GPUは不要です。解析対象のフレーム数が多いため高性能PCほど処理は速くなりますが、Filmoraなどの対応ソフトは一般的なデスクトップPC・ノートPCでも利用できるよう最適化されています。
