漫画やアニメなどを原作とする世界観・キャラクターを活用して独自のストーリーを展開する動画や同人誌、いわゆる「二次創作活動」がYouTubeやコミケなどでよく見かけます。
しかし一方で
「二次創作は著作権法違反である。」
というような意見が気になっている方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では、著作権とは、二次創作とは、二次創作はどこまで許されるのかなどを解説していきます。
この記事を読み終える頃には、抱えていた疑問や不安が解消され、すっきりした状態で創作活動に挑めるはずですよ!
目次
1.二次創作とは?定義について
そもそも二次創作とはどういったことなのか、まずは二次創作の定義について、整理しましょう。
二次創作とは、原作(一次創作)に、独自の創造性・ストーリーなどを加えた作品、またはその活動を指します。
例えば、最近よく見かける「ゆっくり実況」ですが『東方Project』という作品から派生した二次創作です。
「原作である東方Projectは知らないが、ゆっくり実況は知っている。」という方も多いかもしれませんね。
このように、場合によっては知名度が原作を超えることすらあります。
また、コミケなどでされている頒布される「同人誌」も二次創作物である場合がほとんどでしょう。
2.二次創作と著作権法
では、二次創作作品は著作権法どのように関わっているのか、ここで順を追って見ていきましょう。
2-1.二次創作と著作権法
二次創作作品が侵害する恐れがあるのが、著作権者の持つ
・「翻約権、翻案権」
・「同一性保持権」
・「公衆送信権」
です。
翻約権、翻案権
まずは翻案権についてですが、
著作権法の第二十七条には以下のように記述があります。
(翻訳権、翻案権等)
「第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。」
つまり、著作物をドラマ化、映画化、漫画化、動画化などとする権利は著作権者にあり、第三者が許可無く、翻訳、編曲、変形、翻案することは禁じられているわけですね。
二次創作動画や同人誌などの二次創作は、第三者が著作物を動画化、漫画化などをしているため、著作権者の許可が無い限り翻案権を侵害していると言えるでしょう。
同一性保持権
続いて同一性保持権について、
著作権法第二十条に以下のような記述があります
(同一性保持権)
「第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
以下略 」
ポイントとして、著作物の同一性を保持する権利が著作権者にはあり、勝手に第三者が作品を改変することは同一性保持権の侵害にあたる訳ですね。
二次創作作品は上記に該当すると考えられるでしょう。
また、改変しない場合でも、トレースをすると下記の著作権法第二十一条「複製権」の侵害にあたります。
(複製権)
「第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」
公衆送信権
最後に公衆送信権について、
著作権法第二十三条は以下の通りです。
(公衆送信権等)
「第二十三条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。」
インターネットなどに公表する権利は著作権者が保有していると解釈できます。
また、第二十八条には
(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
とあり、二次的著作物に関しても、著作権者が公衆送信権を保有していると考えられます。
二次創作も二次的著作物に該当する場合が多く、結論として二次創作作品をインターネット上で公開することは、公衆送信権の侵害にあたる可能性があるでしょう。
2-2.著作権法を違反すると?
著作権法第百十九条1項によると
「第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(中略)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」
とあります。
また、上記条文の対象は、著作隣接権や出版権も含みます。
著作権侵害には、民事・刑事いずれも適用できますが、仮に刑罰になると上記の通り10年以上の懲役、1,000万円以下の罰金またはこれら両方が科されるため、非常に重い罪であると言えるでしょう。
2-3.その他関連法
二次創作は著作権法に加えて、著作人格権、著作隣接権などの侵害にあたる可能性があります。
著作人格権は、著作権者の作品に対する想いや著作者の名誉を守るための法律です。
同人誌や一部の二次創作動画には登場キャラクター同士の性行為などが描かれることもあり、著作者にとって作品への想いを踏みにじられたと感じてしまうような”感情”を抱いても不思議ではありません。
2-4.親告罪とグレーゾーン
ここまで読み進めてくださった方の中には、世の中にこれだけ二次創作が溢れていることに疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれません。
「逮捕者続出じゃないの?」
と思ってしまっても無理はありませんよね。
しかし、実情、著作権やその他関連する権利を二次創作が侵害していたとしても、必ずしも訴えられる、懲役を食らうと言うわけではありません。
これは著作権法が「親告罪」であり、被害者が告訴しない限り起訴できないという理由からです。
※一部親告罪でないケースも存在します。(著作権者が死亡している場合など)
著作権者が告訴しない理由
このケースで被害者である、著作権者が告訴しない主な理由は以下の通りです。
・同人誌や二次創作動画が制作されている事実を、ファンがそもそも著作権者に伝えない(暗黙のルール)
・告訴にお金と時間がかかる
・著作権者が暗黙している(原作人気に繋がるなどの利益がある、同人文化に理解があるなど)
実情、以上のような理由から二次創作動画や同人誌などの二次創作作品が、訴えられる、告訴されることはめったにありません。
ただし、あくまで著作権者次第であり、法的には二次創作作品は著作権を侵害していると考えるべきでしょう。
3.【結論】二次創作はどこまで許されるのか
では、二次創作作品を制作したい場合、どのようなケースであれば法的にもクリーンな状態で進められるのでしょうか。
3-1.著作権者の許可を得た
著作権者と連絡を取り、許可を得た上で二次創作作品を制作する行為は、そもそも著作権法が親告罪である関係上、罪になり得ません。
また、著作権者が二次創作を認めていると表明している場合もあります。
音楽関係であれば「JASRAC」「NexTone」、出版関係は出版社が著作権を管理している場合も多いため、問い合わせてみても良いでしょう。
【関連記事】
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3-2.原作が著作権保護されていない
原作がそもそも著作権保護されていないケースでは、当然ですが著作権を侵害することもありません。
著作権には著作者の死後70年間という保護期間が定められており、著作者が亡くなった翌年の1月1日から70年後に著作権が消滅します。
例えば有名な「くまのプー」というキャラクターは、アメリカでは2022年1月に著作権が切れ、パブリックドメインとなっています。
(ただし、「アニメ版の」クマのプーさんには1966年公開であるため、著作権は切れていません。つまり、ディズニー版くまのプーさんと似ていれば著作権法違反となります。)
そこで、
Winnie the Pooh: Blood and Honey Trailer #1 (2022)
このようなくまのプーさんの二次創作映画も既に制作されています。
3-3.私的利用目的
私的な利用が目的で複製をおこなう場合、著作権者の許可を取らなくても著作権の侵害には該当しません。
著作権法第三十条1項には以下のようにあります。
(私的使用のための複製)
「第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。」
また、家族や少数の友人でシェアする目的であれば「家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用」に該当すると解釈されるのが一般的です。
3-4.小説の二次創作
小説の二次創作は、原作に似すぎていない限り著作権侵害には該当しないと考えられています。
著作権法において、著作権とは「思想または感情を創作的に表現した物」と定義されており、作品の登場人物名やタイトルは対象外と考えられています。
これは、実在の名前等とも被ってしまう恐れがあることに配慮している訳ですね。
これらを勘案すると、小説の二次創作に関しては、シチュエーションなどが似すぎていない限りは著作権侵害の問題にはなりづらいと考えられます。
4.二次創作動画を作るならFilmoraがおすすめ
最近特に盛り上がりを見せている二次創作動画。
前章で紹介した条件をクリアすれば、クリーンな状態で制作が可能です。
ちなみに、二次創作動画を際策するのであれば、ダントツで「Filmora」という動画編集ソフトがおすすめです。
オススメする理由は以下の通り。
4-1.おすすめの理由①直感的な操作ができる
Filmora最大の特徴として最も特筆すべきなのがその「操作性」です。
動画編集ソフトは高度な編集ができるソフトであればあるほど、操作が複雑になり、勉強して慣れるまでに時間がかかってしまうのが常です。
しかし、Filmoraは後述するとおり非常に高度な機能を持ち、進化を続けながら決して「直感的で誰でも使いこなせる」という特徴を失いません。
使用したい機能がすぐに見つかり、操作に迷わず使用し続けられる安心感は、これから二次創作動画を制作し始める方にとって大きなアドバンテージになるはずですよ。
4-2.おすすめの理由②高度な機能が多数搭載
Filmoraは操作が簡単なだけではなく、一般的な動画編集機能を大きく超えた高度な機能が多数搭載されています。
例えば、
・AIポートレート:どんな動画素材も簡単に背景が透過・合成できる
・自動文字起こし:動画内の音声をワンクリックでテロップ化
・オーディオスペクトラム:動画内音声を視覚化するテンプレート
・テキスト読み上げ:動画内のテロップをナレーションに変換(ゆっくりなどの実況動画に最適な機能)
と言った具合です。
ソフト内AIも活用し、本来時間がかかったり、実現がそもそも難しかったりするような演出が短時間、低コストで作成できてしまいます。
ゆっくり実況とその作り方を解説(完全ガイド)
4-3.おすすめの理由③テンプレートが充実
Filmoraには、エフェクト・トランジション・テロップなど様々なハイクオリティでオリジナルのテンプレートが搭載されています。
これらのテンプレートを組み合わせるだけで見栄えの良い動画が制作できてしまうでしょう。
4-4.おすすめの理由④豊富な素材
搭載されている豊富な素材も重要な要素です。
プリインストール時に搭載されている豊富な素材やBGMに加えて、連携しているストックメディアサービスからは、1,000万点以上の素材にアクセス・使用が可能です。
また、連携ストックサービス「Filmstock」の存在も大きいでしょう。
新サービスFilmstock(フィルムストック)はこんなにすごい
加えて、動画作成において、二次創作であるか否かを問わず、著作権関係は気をつけるべきポイントです。
たとえ著作権フリーと記述されたサイトでも、クレジットの表示や商用利用不可、など条件が利用規約で定められている場合がほとんどです。
せっかく二次創作作品として著作権をクリアしていても、使用している素材関連で著作権侵害や規約違反によるペナルティを食らっては、たまりませんよね。
Filmoraに搭載されている素材やBGMはクレジット表示も必要なく、全て商用利用可能。
毎回の利用規約チェックにかかる手間も省けるため大きな時短と著作権に対する心理的負担の削減に役立つでしょう。
4-5.おすすめの理由⑤ハイコストパフォーマンス
Filmoraは価格面においても、多くのハイスペック動画編集ソフトに勝ります。
これだけの機能性を有しながら、リーズナブルな価格で、一度購入すれば、それ以降課金する必要が無い、買い切り版も用意されています。
非常にコストパフォーマンスが優れているソフトであると言えるでしょう。
また、無料版も用意されており、全ての機能が無制限で使用し続けられます。
ただし、無料版は書き出し時にクレジットが表示されてしまうという、デメリットがあるため、思う存分使用して、納得できたら購入する。という使い方がおすすめですよ。
著作権のポイントを押さえて二次創作作品を思う存分制作しよう!
この記事では二次創作作品に関連する法律や、どうすれば著作権をクリアできるのか、二次創作動画を制作するためのおすすめ動画編集ソフトなどについて解説しました。
法律関係の記述も多く、少し複雑でしたが重要な主張は、二次創作作品は、正しい順序を踏み、ポイントをおさえれば、業界を盛り上げつつ、楽しく制作活動に励めるという点です。
二次創作動画を制作したい方は、ぜひ最初の第一歩としてFilmoraを無料ダウンロードし、完璧でなくても作品を創ってみることから始めてみてはいかがでしょうか?
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