動画の動きを自由自在にコントロールできるのが「Premiere Pro(プレミア プロ)」のキーフレーム機能です。フェードイン・ズーム・テロップの動きなど、表現の幅を広げるうえで欠かせない要素といえるでしょう。
この記事では、Premiere Proを使ったキーフレームの基本から打ち方(設定方法)まで初心者にもわかりやすく解説します。SNS向け動画でトレンドを押さえたアニメーション演出に活かす実践テクニックも紹介していますので、参考にしてみてください。
これから動画編集を始めたい方もプロレベルを目指す方も、この記事でキーフレームの使い方を完全マスターしましょう。
Filmora キーフレーム
目次
1. キーフレームとは?動画編集の基本を理解しよう
キーフレームとは、動画の中で動きの「はじまり」と「おわり」を決めるマーカーのようなものです。
例えば文字を左から右へ動かしたいとき、スタート位置とゴール位置にキーフレームをつけるだけで、Premiere Proがその間の動きを自動で作ってくれます。
他にもフェードイン・ズーム・回転など、いろいろな動きを時間に合わせて変化させられるのがキーフレームであり、アニメーションを含む動画作りの基本といえるでしょう。
2. Premiere Proでキーフレームを追加・削除する基本操作
ここからは、実際にPremiere Proを使ってキーフレームを追加・削除する操作を確認していきましょう。
2-1. エフェクトコントロールパネルの使い方
Premiere Proにおいて、選択したクリップにエフェクトを追加・編集するためにはエフェクトコントロールパネルを使用します。

エフェクトコントロールパネルを開き、各パラメーターの隣にある時計アイコンをクリックすることでキーフレームを追加することができます。

キーフレームを追加したい位置まで再生ヘッドを動かします。

再生ヘッドを移動したら、さらにキーフレームを追加します。

もし追加したはずのキーフレームが表示されない場合は、タイムラインでどのクリップが選択状態になっているのか確認してください。

エフェクトコントロールパネルでは選択状態になっているクリップのキーフレームが表示されるので、選択しているクリップが正しいかどうか確認しましょう。
2-2. タイムラインパネルでの操作
タイムラインパネル上でもキーフレームを表示できます。
「fx」マークがついているクリップにはキーフレームが設定されており、fxマークを右クリックすることで視覚的に表示できるパラメーターの変更が可能です。

1つのクリップに複数のキーフレームが設定されている場合は、Shiftキーを押しながらキーフレームを選択することで一度に複数選択することができます。

Premiere Proではキーボードショートカットを活用することで、作業効率化につながります。
特に下記のショートカットキーを使うと便利なので、ぜひ活用してみてください。
- Altキー+左キー:キーフレームを1フレーム前に移動
- Altキー+右キー:キーフレームを1フレーム後ろに移動
2-3. キーフレームの編集・削除・コピー
Premiere Proでは、キーフレーム間の補間設定も設定できます。
キーフレームを複数選択した状態で右クリックすると、リニア・ベジェ・イーズインなどのイージングの設定が可能です。

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3. 【実践編】キーフレームで作る5つの基本アニメーション
Premiere Proを使ったキーフレームの打ち方が習得できたら、続いては使うことが多い5つの基本アニメーションを学んでいきましょう。
3-1. 位置の変化:スライドイン/アウトエフェクト
オブジェクトの「位置」をキーフレームで変化させることで、画面外から登場したり、外へ退場したりといった動きを作れます。プレゼンテーション動画やテロップ演出など、動きをつける最も基本的なアニメーションです。
位置を変化させるアニメーションをつけるには、まずはクリップの再生ヘッドを開始地点へ移動させます。エフェクトコントロールパネルの「位置」でキーフレームを追加し、画面外になる数値へ調整しましょう。

続いて再生ヘッドを終了地点へ移動させ、「位置」の数値を画面内へ調整しましょう。

これで位置の変化(スライドイン・スライドアウト)の完成です。

3-2. スケールの変化:ズームイン/アウトの作り方
「スケール(拡大・縮小)」のキーフレームを使えば、映像やテキストを徐々に大きくしたり小さくしたりできます。注目を集めたいシーンの演出や、商品紹介動画のズーム効果などにぴったりです。
スケールを変化させるには、クリップの再生ヘッドを開始地点へ移動させてください。
さらにエフェクトコントロールパネルの「スケール」にキーフレームを追加します。

再生ヘッドを終了地点へ移動させ、「スケール」の数値を拡大させたい大きさまで調整しましょう。

これでスケールの変化(ズームイン・アウト)の完成です。

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Filmoraテキストから動画生成アイデアをズームショットに変換
3-3. 回転アニメーション:テキストや画像を回転させる
「回転」プロパティにキーフレームを設定すれば、テキストや画像をぐるりと回転させることができます。ロゴの回転登場やタイトルアニメーションなど、動きにアクセントを加えたいときに使えるテクニックです。
画像やテキストを回転させるには、クリップの再生ヘッドを開始地点へ移動させます。
さらにエフェクトコントロールパネルの「回転」にキーフレームを追加し、角度の数値を調整しましょう。

シーンに応じて角度の数値を調整(90°→180°→270°など)することで、回転するような動きになります。

これで画像やテキストの回転が完成しました。

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Filmora-テキストアニメーション
3-4. 不透明度の変化:フェードイン/アウトの実装
「不透明度」をキーフレームで変化させると、映像や文字をふわっと表示・非表示にできます。
場面転換やオープニング・エンディング演出など、自然で優しい印象を与えるアニメーションです。
まずフェードインをキーフレームで設定するには、エフェクトコントロールパネルの「不透明度」にキーフレームを追加し、不透明度を0に設定します。これでクリップが見えない状態になりました。

続いてタイムライン上にある再生ヘッドを動かし、透明にしていたクリップを表示したい地点で不透明度を100に変更しましょう。これでフェードインのアニメーションが作られました。

続いてタイムラインの終了地点まで再生ヘッドを動かし、再び不透明度の数値を0にしてクリップを見えない状態にします。これでクリップが徐々にフェードインした後、フェードアウトするという動きになりました。

完成したアニメーションはこのようになります。

3-5. 速度変更:スローモーション→通常速度の切り替え
スピードを変化させることで、エモーショナルな演出を作ることができます。スローモーションで印象的な瞬間を強調させ、その後に通常速度へ戻すと、緩急のあるアニメーションが可能となります。
Premire Proでキーフレームを使って速度変更を行うには、まずスローにしたい地点へ再生ヘッドを移動しておきましょう。そして「タイムリマップ」の「速度」へキーフレームを追加します。さらにバーを調節して再生速度を遅くしておきます。

続いて元の速度へ戻したい地点まで再生ヘッドを移動させ、速度バーを調整して再生速度を元通りにして完成です。

スローモーション→通常速度への切り替えは、このようになります。

関係記事: Premiere Pro(プレミアプロ)でスローモーション動画を作成する方法
4. 【SNSトレンド対応】2025年人気の動画エフェクトをキーフレームで再現
SNSで人気の動画は、ちょっとした動きやエフェクトで一気に目を引きますよね。実はそんなトレンド演出もキーフレームを使えば簡単に作れます。
ここでは2025年に注目されている人気エフェクトを例にして、キーフレームで再現できる演出を紹介します。
4-1. Instagramリール風:ダイナミックズームエフェクト
Instagramリール動画でよく見られるのが、被写体へ一気に寄るダイナミックなズーム演出です。

この演出は、クリップにスケール(拡大率)のキーフレームを設定し、短い時間でクイックズームするように設定するのがポイント。さらにモーションブラーを加えれば、スピード感と臨場感がグッとアップするでしょう。
ちょっとしたズーム演出であっても、キーフレームとブラーの組み合わせ次第で、Instagramリール風のプロっぽい仕上がりになります。
Filmora-AI生成アイズームイン動画
プロンプト例【Filmora】:一滴の涙が生まれ落ちる瞬間を捉える。表情と涙滴の透明感を丁寧に。やわらかな暖色で脆さとつながりを演出し、落下で光を美しく拾う
4-2. TikTok風:テキストアニメーション
TikTok動画で見かけるのが、文字がポンっと弾むように現れるテキストアニメーションです。この演出はキーフレームを使ってテキストをスライドインさせつつ、バウンス効果を追加することで再現できます。

クリップに対して「位置」のキーフレームを設定し、テキストが画面外から飛び込んでくるように動かした後、少し戻るような動きを加えるのがコツです。ここでイージング設定を「イーズアウト」にしておくと、動きの始まりと終わりが滑らかになり、自然なアニメーションに仕上がるでしょう。
Filmora-デザイン文字
4-3. ショート動画定番:分割画面+同期アニメーション
複数の映像を同時に見せる分割画面は、ショート動画で定番の演出です。各クリップの位置をキーフレームで調整しながら動きをつけることで、よりダイナミックに仕上げられます。

ポイントとしては、複数のクリップが同じタイミングで動くようにキーフレームを揃えることです。タイムライン上で再生ヘッドを合わせてからキーフレームを打てば、タイミングのズレを防ぎやすくなります。
Filmora-スライスエフェクト
4-4. バズる動画の秘訣:ストーリーテリングとキーフレーム
多くの人の心を掴むバズる動画は、最初の2秒で視聴者を惹きつけているといわれています。例えば、タイトルがふわっと登場して被写体にズームするような演出をキーフレームで作れば、自然と物語の世界に引き込まれるでしょう。

さらに、BGMの盛り上がりに合わせてテキストの動きやカメラワークを変化させれば、よりエモーショナルな演出になります。ちょっとした工夫で、視聴者の「続きを見たい」気持ちを引き出すのがバズる動画の秘訣です。
Filmora-3D トランジション
5. Premiere Proが難しい人必見!Filmoraで簡単キーフレーム編集【PC・スマホ対応】
Premiere Proの操作が難しいと感じたことはありませんか。そんなときにおすすめなのが「Filmora」です。
Filmoraは、直感的なインターフェースで操作できる動画編集ソフトであり、複雑なキーフレーム編集もドラッグ&ドロップするだけなので、初心者でも簡単にアニメーションを作ることができます。また、Filmoraにはスマホアプリもあり、PC版と同じようにアニメーション作成が可能です。
ここからは、FilmoraはPremiere Proとどう違うのか、さらにFilmoraのPC版とモバイル版それぞれでのキーフレーム機能の使い方を解説していきます。
5-1. Premiere Proとの違い:Filmoraのメリット
Premiere Proは高機能ですが操作が難しく、初心者にはハードルが高く感じられるかもしれません。その一方で、Filmoraは誰でも直感的に理解できる画面なので、キーフレームの設定もわずか数クリックで完了します。

さらにFilmoraには、ハイレベルなエフェクトやアニメーションテンプレートがあらかじめ用意されているので、難しい調整をしなくてもプロレベルの仕上がりを実感できるでしょう。
動画編集が初めての人でもたった5分でキーフレーム操作を理解できる、このシンプル設計がFilmora最大の魅力です。
5-2. Filmora PC版:キーフレーム機能の使い方
ここでは、FilmoraのPC版を使って画像を左から右へスライドさせるアニメーションを作ってみます。
FilmoraのPC版を起動したら、キーフレームを追加したいオブジェクトをインポートします。
オブジェクトをインポートできたら、タイムライン上へドラッグアンドドロップして配置しましょう。

アニメーションが始まるポイントへキーフレームを追加するため、タイムライン上の再生ヘッドを開始地点まで動かしてください。その後、キーフレームアイコンをクリックします。

キーフレームを追加すると、キーフレームのパラメーターパネルが表示されます。
「位置」パラメーターのX軸を、画面左端になるように調整してください。

続いて終了地点を設定するため、再生ヘッドをアニメーションが終わる位置まで動かし、位置のパラメーターを画面右端の座標へ設定します。この操作で終了地点のキーフレームが自動で作成されます。

あとは実際にプレビュー再生をしてみて、想定通りの動きになっているか確認してみましょう。

実際に作成されたアニメーションはこのようになります。

5-3. Filmoraモバイル版:スマホで完結するキーフレーム編集
続いてFilmoraのモバイル版でもキーフレーム編集方法です。Filmoraを使えば、スマホだけでもキーフレーム編集が完結できます。
モバイル版のFilmoraを起動したら、「新しいプロジェクト」をタップし、キーフレーム編集を行いたい動画や画像をインポートしましょう。

今回は動画にキーフレームを追加して、ズームインする動きを作成します。
拡大する前の位置へタイムラインを動かし、ズームの開始地点にキーフレームしましょう。
そしてそのまま終了地点へ移動し、ピンチ操作で画面をズームさせてください。
これで自動的に終了地点にもキーフレームが追加されました。

ズームインのタイミングが問題ないかどうかプレビューで確認し、問題なければエクスポートして完成となります。

完成したアニメーションは以下のようになります。

Filmoraモバイル版を使ったキーフレーム編集方法は以上です。

6. よくあるトラブルと解決方法(FAQ)
キーフレームを使った動画編集を始めたばかりの方からよく寄せられるのが、キーフレームがうまく動かないといったトラブルです。
しかし、トラブルの原因の多くはちょっとした操作ミスや設定の見落としであることも多いのです。ここでは、キーフレームを使う際によくあるトラブルとその解決方法をFAQ形式でわかりやすくまとめました。
キーフレームが表示されない
キーフレームを追加したはずなのに表示されない場合、まずはタイムライン上で対象クリップが選択されているかを確認しましょう。Filmoraの場合、クリップを選択していない状態だとキーフレームのマーカーが非表示になります。

それでも表示されない場合は、倍率を変えてタイムラインを拡大してみましょう。長尺の動画かつ拡大率が低い状態だと、キーフレームが見えにくい場合があります。
アニメーションがカクカクする
Premiere Proでキーフレームを使いアニメーションを作ったけどなぜか動きがカクカクする場合は、PCのスペック不足が考えられます。Premiere Proは高機能であるが故に、PCの要求スペックも高いことに注意しなくてはいけません。
Filmoraで作ったキーフレームアニメーションがカクカクする場合は、PCへの負荷を減らすためプレビュー画質を落としている可能性があります。この場合、エクスポート後の動画はスムーズに再生されることも多いので、まずはFilmoraでのエクスポートを試してみましょう。
キーフレーム間の動きが不自然
動きが急に速くなったり止まったりする場合は、キーフレーム間の間隔やイージング設定を見直してみてください。等間隔でキーフレームを置きすぎると、直線的な動きになってしまいます。

Filmoraのイーズイン・イーズアウトを活用すれば、アニメーションの開始・終了の動きが自然になりますよ。他には中間点にキーフレームを追加し、動きのリズムを調整するのもおすすめです。
複数のプロパティを同時に変更したい
位置・スケール・不透明度など、複数のキーフレームのプロパティを同時に変更したいのであれば、Filmoraを活用してみましょう。

Filmoraはパラメーターの設定値をまとめて確認・調整でき、パラメーターごとにキーフレームが記録されるので同時に変更しても問題ありません。
Premiere Pro 2025の既知の問題と対処法
Premiere Pro 2025では、一部の環境でキーフレームが正しく保存されない、もしくはタイムライン上でずれるといった報告があります。これらはPremiere ProのMac版とGPUドライバとの互換性や、自動バックアップ時の一時的なデータ破損が原因とされています。
対処法としては、以下の二つを試してみてください。
- 自動バックアップ間隔を長め(10分以上)に設定
- GPUドライバを最新バージョンへ更新する
これらの対処でも改善しない、もしくは複雑なキーフレーム作業にストレスを感じるのであれば、より軽く直感的な操作ができるFilmoraへ移行するのも有効な方法です。

7. まとめ:キーフレームで動画編集スキルを次のレベルへ
動画のクオリティをワンランク上にアップさせたいのなら、「キーフレーム」の活用を避けて通ることはできません。Premiere Proを使ったキーフレーム編集は細かい部分までコントロールができるので、プロレベルの作品を生み出すことができるでしょう。
しかし、Premiere Proは機能が豊富で細かい動きの調整ができる反面、やや上級者向けの操作が求められます。Premiere Proではキーフレームを使いこなせないと感じたのであれば、Filmoraを使うのがおすすめです。
Filmoraなら直感的な操作でPremiere Proと同じ動きを短時間で作れるので、初心者でも気軽にキーフレームを使った編集作業が行えます。キーフレームを使いこなして、あなたの動画編集スキルを次のレベルへと引き上げてみませんか。




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