Alibabaはテック業界を代表する企業の一つであり、近年はAIクリエイティブ分野にも本格的に力を入れています。その流れの中で注目されているのがWan AIです。Google Play ストアにある公式Wanアプリはすでに10万件以上のダウンロードを記録しており、一般のクリエイターにもWan AI動画生成ツールを試す動きが広がっていることが分かります。
では、日常的に動画や画像を作るクリエイターにとって、Wan AIジェネレーターはどれほど実用的なのでしょうか。本記事では、Wan AIでできること、料金、使い方、長所と注意点、そして生成後に本格的な編集が必要になる場面まで分かりやすく解説します。

Part 1. Wan AIとは?Alibabaが展開するAI動画生成ツール
まずはWan AIの概要から見ていきましょう。Wan AIは、プロンプト、画像、参照素材をもとに短いAIビジュアルを作成できるツールです。画像生成、静止画から動画への変換、テキストからの動画生成、プロンプトによるビジュアル編集、参照素材を使ったシーン作成などに対応しています。
最近ではWan 2.7の登場により、さらに注目度が高まっています。この最新アップデートでは、テキストプロンプトと複数画像のガイドを使って、ビジュアル、ストーリー展開、シーンを再現しやすくなりました。単にランダムなAIクリップを作るだけでなく、仕上がりをより細かくコントロールしたいクリエイターにとって、より実用的なプラットフォームになっています。
Wanの進化:Wan 2.1からWan 2.7まで
このツールが話題になっている理由を理解するには、進化のスピードを見るのが分かりやすいでしょう。Wanは突然完成形として登場したわけではなく、開発側の素早い改善を重ねながら、顔の歪みや不自然な物理表現といったAI動画で起こりやすい課題を少しずつ改善してきました。
| モデルバージョン | 主な注力点 | 主な強み |
| Wan 2.1 Plus | 基本的なモーション基盤 | 優れたテキスト理解と、基本的な映画風カメラワークに対応 |
| Wan 2.2 Flash | 生成速度の向上 | ラフ案やコンセプト作成時のレンダリング時間を大幅に短縮 |
| Wan 2.5 Preview | フォトリアル表現の強化 | 肌の質感、ライティング、背景ディテールが大きく改善 |
| Wan 2.6 | 物理表現とインタラクション | 液体の飛沫や衣服の動きなど、複雑な動作表現が向上 |
| Wan 2.7 | 高い鮮明度とディテール | 文字表現や細かな表情の再現性が向上し、高精細な出力に対応 |
Part 2. Wan AIの始め方:アクセス方法
Wan AIは、公式ルートを使えば比較的かんたんに始められます。主な利用方法はWebプラットフォームのhttps://wan.video/にアクセスすることです。ログイン後、画像や動画の作成を開始できます。基本的な流れは次のとおりです。
- プラットフォームにアクセスします。
- アカウントにサインインします。
- 作成モードを選択します。
- プロンプトを入力するか、ファイルをアップロードします。
- 生成を実行します。

Wan AIの公式サイトではAndroidとiOSの両方に対応しているように案内されていますが、現時点で実際に利用できるリンクはGoogle Play ストアのAndroid版のみです。iPhoneユーザーの場合は、当面はブラウザからWebプラットフォームを利用するのが現実的です。

Part 3. Wan AIの料金:クレジット、無料利用、有料プラン
Wan AIの料金体系はクレジット制です。生成を行うたびにクレジットを消費し、消費量は作成内容によって変わります。シンプルな画像生成なら少ないクレジットで済む一方、長めの動画や高品質なWan AI動画を作る場合は、より多くのクレジットが必要になります。
⭐ 無料クレジット
ログインして毎日「チェックイン」するだけで、Wan AIの無料クレジットを受け取れます。通常は1日あたり1〜2回程度の生成を試せる量で、課金前に使い勝手を確認するには十分です。より速いレンダリングや高解像度の出力が必要になったら、ProとPremiumという2つの有料プランを検討できます。
| 項目 | Pro | Premium |
| 料金 | 月額6.5ドル | 月額26ドル |
| 月間クレジット | 300クレジット/月 | 1,200クレジット/月 |
| 動画の同時生成数 | 最大3本まで同時生成 | 最大8本まで同時生成 |
| 画像の同時生成数 | 最大3枚まで同時生成 | 最大5枚まで同時生成 |
| おすすめ用途 | ライトユーザー、試用、ショート動画作成 | 頻繁に生成するクリエイター、本格的な検証、生成量が多い用途 |
Part 4. Wan AIの機能レビュー:実際に何が作れる?
AI機能という点では、Wan AIは白紙の状態から数分でクリップを作るための機能を一通り備えています。主な機能は次のとおりです。
1. AI画像を作成

Wan AIの画像生成機能では、1文の説明から画像を作成できます。複雑なデザインスタイルにも比較的自然に対応し、プロンプトの意図も反映しやすいのが特徴です。アイデア次第で、さまざまな画像コンテンツを作成できます。
おすすめ用途:
- コンセプトアート。
- SNS向けビジュアル。
- 商品モックアップ。
- サムネイル案。
- キャラクターデザイン。
- 動画化する前のスタイル検証。
2. AI動画を作成

多くのユーザーがWan AI動画生成ツールを検索する一番の理由が、この動画生成機能です。動画は主に2つの方法で作成できます。1つ目はテキストから動画を生成する方法で、作りたい内容を入力すると、Wanがゼロからシーンを生成します。2つ目はWan AIの画像から動画を生成する方法で、静止画をアップロードして動きを付けられます。
おすすめ用途:
- 短いAIクリップ。
- 商品のモーション動画。
- キャラクターアニメーション。
- 映画風シーンのテスト。
- SNS向け動画。
- AI広告のラフ案。
3. AI動画を編集

新しいWan AIワークフローで特に興味深いのが、プロンプトによる動画編集です。従来型の編集ソフトを開いて手作業で細かく変更する代わりに、変更したい内容をテキストで指示できます。
たとえば、背景を変える、スタイルを調整する、ビジュアルの細部を修正する、シーンの一部を再生成するといった指示が可能です。
4. 参照素材から動画を作成

AI動画で大きな課題になりやすいのが、キャラクターの一貫性です。参照素材がないと、同じ人物の見た目がシーンごとに少しずつ変わってしまうことがあります。その点で、参照素材から動画を作成する機能はWanの強力な機能の一つです。人物や人型キャラクター、複数人のシーン、人物と物体のインタラクション、外見や音声の一貫性をサポートします。
おすすめ用途:
- キャラクター中心のショート動画。
- AIストーリーテリング。
- インフルエンサー風クリップ。
- 人物と物体が関わるシーン。
- ブランドキャラクターのビジュアル。
- 実験的な広告動画。
Part 5. Wan AIレビュー:得意な点とまだ物足りない点
オンライン上の派手なプロモーションだけを見ると期待が高まりますが、実際のプロジェクトで使うとどう感じるのでしょうか。そこで本レビューでは、Wan AIを実際に試したうえで、実用面を確認します。
ログインで無料クレジットを受け取れるため、まずはそれを活用して、Wan AI動画の良い点と気になる点を自分で確認してみるのがおすすめです。
クイックスタート:Wan AIでAI動画を作る方法



手順はそれほど複雑ではなく、Wan AI動画もプロンプトの内容を比較的よく反映していました。以下の結果も参考にしてみてください。
Wan AIのメリット・デメリット
- 無料クレジットで試しやすい:毎日のチェックインでクレジットを受け取れるため、初心者でも低リスクでWan AIを試せます。
- Wan 2.7はコントロール性を重視:新しいWan 2.7では、指示ベースの動画編集やシーン制御が強化され、クリエイターにとってより実用的です。
- 画像と動画を横断して使える:先に静止画を作り、それを動画化できるため、自然な制作フローを組みやすくなります。
- 待ち時間が長い:生成ボタンを押してからWan AI動画を確認できるまで、ある程度時間がかかります。
- ポストプロダクションが必要:Wanはクリップ生成には便利ですが、トリミング、レイヤー編集、テンポ調整、音声ミックスなどはタイムライン編集ソフトほど細かく操作できません。
- クレジットを消費しやすい:Wan AI動画は何度か作り直すことが多く、気づかないうちにクレジットを使い切る可能性があります。
Part 6. Wan AIの後にもっと細かく編集したいならFilmoraで仕上げる
Wan AIは短いクリップの生成には便利ですが、複数のAI動画を組み合わせたり、字幕を追加したり、テンポを整えたり、音楽を重ねたり、エフェクトを加えたり、YouTube、TikTok、Instagram、広告向けに最終書き出しを行ったりする場合は、フル機能のタイムライン編集が必要になります。
より細かくコントロールしたい場合は、次のステップとしてWondershare Filmoraが適しています。WanでAIクリップの素材を生成し、その素材をFilmoraに読み込んで、完成度の高い動画へ仕上げられます。

Wan AIの後にFilmoraを使うメリット
1. 複数のAIモデルを1つの編集環境で使える

Wan AIは主に独自のモデル群を中心にしています。一方、Filmoraでは編集ワークフローの中で複数のAI生成オプションを利用できます。Veo 3.1、Sora 2、Seedance 2.0などの生成スタイルを1つのアプリ内で組み合わせやすい点が魅力です。
2. 本格的な編集タイムライン

Wan AI動画生成ツールはクリップ作成には便利ですが、Filmoraならタイムラインで編集できます。カット、並べ替え、レイヤー追加、分割、速度調整、トランジション追加、音声同期などを行い、1本の完成動画として組み立てられます。
AI動画では、この差が大きく出ます。たとえばWanで生成したクリップの冒頭3秒は気に入っているけれど終盤が不自然な場合、Filmoraなら不要な部分だけをカットして、良い部分を残せます。
3. 豊富なメディアライブラリ

Filmoraでは、テンプレート、エフェクト、トランジション、タイトル、ステッカー、音楽、効果音、ストック素材など、制作に役立つ素材も利用できます。Wan AIで作ったクリップが良くても、公開用としては少し物足りないと感じる場面で役立ちます。
たとえば、Wanで短い商品紹介クリップを作成し、Filmoraでアニメーションテキスト、音楽、ロゴアニメーション、効果音、CTAを追加できます。
4. 幅広いAI機能

1本のクリップを生成するだけでなく、動画全体の品質を高めたい場合はFilmoraがより便利です。高度なAI機能も多数用意されています。
- AI字幕:音声を認識し、スタイル付きの字幕テキストをすばやく作成できます。
- AI翻訳:動画プロジェクトの翻訳をサポートし、言語の壁を越えた発信に役立ちます。
- テキスト読み上げ & AIボイスクローン:高品質なナレーションを生成したり、特定の声質に近い音声を作成したりできます。
- AIスマートカットアウト:被写体を切り抜いたり、背景を削除したりできます。
- AI動画補正:ノイズ、圧縮による乱れ、ぼやけたディテールを整え、映像を見やすくします。
- カメラ目線:視線を自然にカメラ方向へ補正し、話し手が視聴者に向き合っている印象を作れます。
5. 書き出しの自由度が高い

Wanは最上位プランでも最大1080pまでの対応ですが、Filmoraは最大4K書き出しに対応しています。気に入った1080pのWan動画をFilmoraに読み込み、内蔵のAI動画補正機能で鮮明さを高めてから、各プラットフォームで見栄えのする高品質な4K動画として書き出せます。
まとめ
Wan AI動画生成ツールは、Alibabaが提供していることに加え、単純なテキストから動画を作る機能だけにとどまらない点で、今注目されているAI動画ツールの一つです。画像生成、画像から動画への変換、短いAIクリップの作成、プロンプトによるビジュアル編集、参照素材を使ったキャラクターの一貫性維持などに対応しています。
ただし、Wan AIはあくまで生成ツールとして使うのに向いており、動画編集全体を完結させるツールではありません。Wanで作ったクリップをより完成度の高いコンテンツに仕上げたい場合は、Filmoraが次のステップとして有効です。AIクリップを読み込み、タイムラインでトリミングし、字幕、音楽、エフェクト、トランジションを追加して、細かな修正のたびにクレジットを消費することなく、より整った最終動画を書き出せます。
Wan AIに関するよくある質問
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Wan AIは複数言語のプロンプトに対応していますか?
はい。Alibabaの高度な言語モデルを基盤としているため、Wan AIは英語と中国語のプロンプトを特に高い精度で理解します。また、ほかの主要言語にもある程度対応しており、基本的な指示であれば内容を解析できます。 -
Wan AIを商用YouTube動画に使えますか?
基盤モデルのオープンソース性により、一般的には幅広い利用が想定されています。ただし、クラウド上で生成した出力を直接収益化する場合は、必ず公式Webプラットフォームの最新利用規約を確認してください。 -
動画のウォーターマークを削除するにはどうすればよいですか?
無料プランでは、書き出した動画の隅に小さなデジタルウォーターマークが入ります。ウォーターマークのないクリーンな動画ファイルを出力したい場合は、ProまたはPremiumの月額プランへアップグレードする必要があります。

