胸がときめいたときに使われる「きゅんです」という言葉は、TikTokで流行し、ブームとなりました。
流行語にもなったこの言葉は、「ポケットからきゅんです!」という歌によってさらに流行し、「好き」、「うれしい」、「楽しい」といった時にも使われたりするようになっています。このように、誰かのコンテンツを模倣したユーザーのコンテンツを見てさらにそれが広がっていく現象をミームといいます。
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1.ネットミームについて
ミーム(meme)とは、1976年生物学者のリチャード・ドーキンスが、著書『利己的な遺伝子』で行動やトレンドが人から人へ模倣されながら広がる文化を説明するために作った言葉です。
インターネットの普及により爆発的な拡散方法が確立され、ネットミームへと発展しました。ネット上のユーザーが楽しみながら元ネタを盛り上げていくことで、トレンドが作られます。ユーザーが生み出したコンテンツがさらなるブームとなるため、ミームを認知向上のマーケティングとして利用する手法もあります。
一方、元ネタの盗用問題や、ミームのジョークが理解されないと、イメージダウンのリスクもありますので、元ネタへのリスペクト、そのファンコミュニティへの配慮を忘れてはなりません。今回は、日本と海外のミームと元ネタをご紹介いたします。
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2.有名なネットミームと元ネタ一覧5選 【日本編】
①画像「5000兆円欲しい」
絵師のケー・スワベさんがTwitterで「5000兆円欲しい」という文字をロゴにしてツイートしたところ、一気に流行しました。入力した文字を「5000兆円欲しい!」風に表示するジェネレーターが作成されたり、Google Chromeの拡張機能で「5000兆円」の文字を変換するコンバーターが作成されたり、LINEスタンプなども作成されたりしました。
▼元ネタ
▼ジェネレーターでフォントデザインを真似して任意の言葉を当てはめたもの
②画像「スプーのえかきうた」
2006年、はいださんがNHK教育番組「おかあさんといっしょ」で「うたのおねえさん」役を務めていたころ、スプーの絵かき歌を描くコーナーで絵かき歌を描いたところ、実際のスプーとはかけ離れていて、放送事故として話題になりネット上で大流行し、本来のマスコットより有名になりました。この絵はゲームになったり、Youtubeにキャラクターとして登場したりして、流行しました。
▼元ネタ
③台詞「〇〇なのに〇〇…妙だな…」
元ネタは「名探偵コナン」18収録の「File.6 転校生は…」でコナンがコンビニでタバコを買う男性を見て言った台詞です。
「千円札でタバコ一個…妙だな…」
漫画の中では、邪推する理由がちゃんと描かれていますが、このシーンだけを切り取ったネットユーザーが、邪推が過ぎるような状況を面白がり、この台詞を切り取って〇〇の部分を任意の言葉を入れて使われます。
▼元ネタ
▼使用例1
歩美「どうしたの?コナンくん」
— 株式会社ギンビス【公式】 (@GINBIS_PR) May 10, 2016
コナン「あの人、たべっ子どうぶつとしみチョココーンを買っているのにギンビスは知らないと言っている...妙だな」#ギンビスあるある #もっと社名も浸透させたい pic.twitter.com/KNAeJRfb7h
▼使用例2
歩美「どうしたの? コナンくん」
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) May 11, 2016
コナン「あのメーカー…コンピュータにラジオつけてテレビつけてカセットつけて放電プリンターつけただと...妙だな」
弊社垢「...妙だな」 pic.twitter.com/XpFvMDsV9z
④画像「宇宙猫(スペースキャット)」
この画像の元ネタは定かではありません。宇宙の画像を背景に、驚いている猫の画像をコラージュした画像や合成写真のことです。
理解のできない事象に対して、この画像が投稿されます。この構図を使って別のキャラクターを当てはめられたりして使われることもあります。「月刊ムー」とPEPPYはコラボして2022年10月に、実際に猫が箱に入って遊べ、この宇宙猫を再現できる猫用おもちゃ「宇宙猫製造BOX」を販売しました。
▼元ネタ
▼「月刊ムー」とPEPPYがコラボした宇宙猫のおもちゃ販売サイト
⑤動画「#本当はね」
ヤングスキニーさんが歌う「本当はねあなたが好き…」で始まるこの音楽に振り付けをして動画をアップするのが流行しています。「メイクもヘアセットも全部あなたのため あなた好みの可愛い女になりたいわ」のサビの箇所でかわいくポーズを決めたショート動画は歌詞とマッチして、いつも以上にかわいく動画が撮れるかもしれません。
▼元ネタ
▼【オリジナル振付】本当はね、/ ヤングスキニー【踊ってみた】#shorts
関連記事:2023年最新版!日本で流行っているインターネットミーム7選>>
3.有名なネットミームと元ネタ一覧5選 【海外編】
日本では「ミーム」という文化はそこまで根づいていませんが、海外ではミームは数多く誕生しています。Know your memeというサイトでは、数多くのミームを紹介しています。文化の違いからか、日本人から見たら面白いと思わないものもあるかもしれませんが、有名なミームを5つご紹介いたします。
① カエルのペペ
「カエルのペペ」はマット・フュリーの漫画シリーズ『ボーイズ・クラブ』に登場する擬人化されたカエルのキャラクターです。始めはいろいろな感情を表すのに使われて投稿されることが多く、中でも「feels good man(気持ちいいぜ)」と言っている画像は、多く使われました。
しかし次第に人種差別的なシンボルとして使われるようになり、作り手の意図とは反した使われ方をするようになったため、マット・フュリーはアニメの中でペペの葬式を行い、このキャラクターを葬りました。この騒動は2021年映画になって公開されました。
▼元ネタ
©2020 Feels Good Man Film LLc
▼映画ポスター
©2020 Feels Good Man Film LLc
② TSKR
元ネタが日本語の「助かる」→「TaSuKaRu」→「TSKR」だそうです。2022年11月時点で日本ではまだ流行っていないため、海外で本当に流行っているのか?という感じですが、Twitterで「TSKR」を検索すると、確かに投稿が出てきました。誰かの投稿に対して「これが欲しかった!ありがとう」という意味合いで投稿されているようです。
③ Nyan Cat / Pop Tart Cat
2011年にアメリカのPRguitarma氏が製作した動画で、胴体がケロッグのポップタルトになっている猫のイラストが宇宙を疾走していくアニメーションです。BGMの元は「ニャ」だけを繰り返す「Nyanyanyanyanyanyanya!」という日本の楽曲でした。日本ではなぜ流行しているのかいまひとつついていけない感じがありますが、海外では猫の画像を他のイラストにしたり、グッズが作られたりするなどの大ブームとなっているYoutube再生回数は2022年11月時点で2億回を超えている。
④ Doge 柴犬
元は日本人がカボスちゃんという名前をつけて飼っていたメスの柴犬の写真なのですが、「Doge」と呼ばれてかぼすちゃんの写真の周りに「Such Doge」「much smart」「Wow」などでたらめな英語の文字をつけられて投稿されてブームとなりました。「Doge」を使った暗号通貨「Dogecoin」も登場し、2022年11月時点で時価総額188億ドルとなりました。
⑤ PINGUU / Terrified Noot Noot
元ネタは、PINGUUのアニメでオペラやモーツァルトの曲をBGMにピングーが「Noot Noot」と叫んでいるものです。ピングーのおびえた顔にズームインする構造で、ピングーと同じ表情で別のキャラクターを当てはめたり、ゲームの実況中継でうまくいかなかったときにこのアニメーションを入れたりする方法でブームとなりました。
Know your Meme | Terrified Noot Noot
4.ミームマーケティングの成功例3選
① 大塚製薬 ファイブミニ
大塚製薬はTikTokで「#ファイブミニ」付きの動画を投稿し、ファイブミニを飲むとおなかの調子を整える効果があることをアピールして、販売数を伸ばしました。
インフルエンサーがファイブミニと寒天を組み合わせたレシピを公開すると同じようにBGMと動画つきで投稿するユーザーが増えていき、ミームマーケティングが成功した事例です。
② GU スウェット
GUは、ユニクロの子会社で、ユニクロが流行を追いかけず品質を保つのに対し、GUはトレンドを追求して顧客層を分けています。GUはかつてモデルやタレントを広告に起用していましたが体形が違うため着用イメージができず、バーチャルウーマンを作成するなど試行錯誤しています。
口コミを重視する若い女性層にアピールしたいため、TikTokで「#gu新作」「#スウェット」などとつけて投稿して、スウェットのコーデを提案したり、新作の提案をしたり、あえて他ブランドとの比較などを行ったりしています。動画にあるようなかわいいスウェットを着て動画投稿したいという人から人への模倣がミームマーケティングを成功させています。「#スウェット」をつけた動画は2022年11月時点で15万回も動画再生されています。
③Gong Cha Japan タピオカ
タピオカミルクティーが大ブームを巻き起こしたのは記憶に新しいかと思います。若い男女が店頭に並ぶ姿はよく見かけました。Gong Cha Japanがターゲットとしたのは、Z世代の「コーヒー嫌いのスターバックス好き」な若者だそうです。
口コミを誘発するために、Instagramでおしゃれなカフェの動画や、青空などを背景にミルクティーを持った手を映して投稿するのが流行りました。その投稿を見たユーザーが同じような投稿をするためにさらに店頭に並ぶというブームになりました。2022年11月時点で「#Gong Cga」の投稿は49.5万件、「♯タピオカ」の投稿は247.5万件となっています。
5. ネットミームを動画(画像)の作成に活用する
ミームを動画に取り入れて投稿することで、特に口コミを重要視するZ世代に大きなトレンドを仕掛けられる可能性があります。動画が簡単に編集できるソフトをご紹介しますので、使ってみてください。
①動画・画像の編集におすすめのツール:Filmora
全世界のユーザー数1億人を突破した動画編集ソフトFilmoraは、動画初心者でも使いやすいと高評価されています。動画の切り取りや、フィルター効果が多数ついており、映画風にエフェクトをかけたり、目をひくテキストを入れたりするのも、用意されているデザインを選ぶだけであっという間に行うことができます。オリジナルなネットミーム素材が内蔵されているだけではなく、「マークイン・マークアウト」・「選択した部分だけ出力」などの機能で、カンタンに素早くミームを作成することも可能です。
おすすめ記事:Filmoraでミームを加工して画像ファイルとして保存する方法
【機能① デザイン文字】
ミームの作成に欠かせないのはユニークなメッセージを入れる文字ですよね。Filmoraには、ロゴや字幕に適したデザイン文字が多数あります。Fikmstockの有料版デザインでも、画像に入れ込むのは無料で使うことができます。自分でイチからデザインせずにフォントや囲み色が設定できるので、簡単に文字を入れることができます。
[タイトル]タブで文字を選択後、プレビュー画面すぐ下の[スナップショット]ボタンを押して、画像を作成しましょう。
【機能② AIカートアウトツール】
Filmoraでは、複雑な形もこのようにワンクリックで、あっという間に主体を切り抜くことが可能です。ミームの作成に欠かせない切り抜きを行い、背景をガラッと変えることもできそうですね。
【機能③ クロマキー合成】
Filmoraにはクロマキー合成という機能があり、背景が単色に近い場合、クロマキー合成の機能を使うと簡単に背景を変えることができます。好みの背景を設定し、クロマキー合成画面で色を選ぶだけで2つの画像を合成することが可能です。下記のように青空を消して下のピンク色の画像と合成する作業もあっという間です。これでミームのデザインの幅も広がりそうですね。
②画像の編集におすすめのツール:Photoshop
業界最大手のAdobeが提供するPhotoshopは、プロアマ問わずに画像編集・加工に利用されているソフトです。Photoshop単体ですと2,398 円/月で利用することができ、Ipadでも使用することができるので、場所を選ばずに編集することが可能です。
ミームの作成に使えそうな機能をいくつかご紹介します。
【機能① オブジェクト選択】
下記のように、複雑な形をしていても、クリックひとつで切り抜くことができるのがPhotoshopのすごいところです。対象を切り抜いて好きな背景をつけ、楽しいミームを作成しましょう。
【機能② GIFの作成】
Photoshopは、表示させたレイヤーをGIFにする機能があります。各レイヤーを表示させ、一番下が最初の画像、一番上が最後の画像になるように順番を並び替え、タイムラインを表示させてフレームアニメーションを作成し、[レイヤーからフレームを作成]を選択するだけで、タイムラインにクリップが自動的に配置されます。あとは秒数を設定して書き出し、GIFが完成します。
6.よくある質問
Q1ミームを作成する際に、元ネタの著作権はどうなっていますか?
ミームであっても許可なしに元ネタを使用することはリスクを伴います。特にJASRACなどの権利団体に登録されている楽曲をそのまま勝手に使うと、使用料を支払う必要が出てきます。ただし現時点ではJASRACが管理していても自分で演奏すればOKということになっています。編曲する場合は、作詞者などに確認する必要があります。
詳しくはこちらのページでご確認ください。
著作権は親告罪なので、著作権者が告発しなければ検挙はされません。元ネタの著作権者や肖像権者にリスペクトを持ったミームを作って盛り上げましょう。
Q2ミームの著作権は誰ですか?
風刺漫画、パロディではなく、公正利用(非商業的研究や調査、批評や検討など)は対象外となりますが、それ以外は著作権が発生する可能性があります。しかし多くの人の間で加工が重なっていくと、自分が原作者であるという証明をするのは難しくなっていきます。
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