「撮影した風景映像や旅行の動画を、もっとカッコよく仕上げたい!」
「動画編集に凝り始めたけど、カラーグレーディングって何だろう?」
このように考えている方も多いのではないでしょうか?
SNSの普及により、誰もが気軽に動画を撮影・投稿できる時代となった現在、動画の質を高める技術の1つとして「カラーグレーディング」が注目を集めています。カラーグレーディングを実施することで、あなたの動画をより印象的で魅力的なものに仕上げられるのです!
本記事では、そんなカラーグレーディングの基本から、おすすめのソフト&アプリ、さらには具体的な方法まで徹底的に解説していきます。ぜひ最後までご覧いただき、あなたの動画制作スキルを一段階上のレベルへと引き上げてくださいね!
目次
- 動画のカラーグレーディングとは?
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動画カラーグレーディングにおすすめの動画編集ソフト3選
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動画カラーグレーディングにおすすめの動画編集アプリ3選
- 動画カラーグレーディングツール一覧表
- 動画カラーグレーディングソフトの方法【Filmora】
- カラーグレーディングに関するよくある質問
Part1. 動画のカラーグレーディングとは?
「カラーグレーディング」とは、動画や映像の色調を調整し、狙った特定の「雰囲気」や「印象」を視聴者に与えるための技術です。
単なる色の補正にとどまらず、作品全体の印象を大きく左右する重要な工程として、映画やテレビ番組、ウェブ動画など、さまざまな映像制作の現場で活用されています。
1-1.カラーグレーディングの効果と目的
カラーグレーディングの主な効果や目的は以下の通りです。
視覚的な印象の強化 | ・動画の印象を大きく変える 視聴者の注目を集めたい要素を強調する |
感情の誘導 | ・視聴者の感情を意図的に誘導する ・映画では良く使用されるポイント |
統一感の創出 | 色調を揃えることで統一感のある作品に仕上げられる |
独自のスタイルの確立 | ・作品やブランドの個性を演出できる ・YouTubeチャンネルの運営などでも有効なテクニック |
このように、カラーグレーディングは単なる色の調整以上の効果を持つ、クリエイティブな技術と言えるでしょう。
1-2.カラーコレクションとの違い
カラーグレーディングと似た用語に「カラーコレクション」がありますが、厳密には少し異なる工程を指して使います。
「カラーコレクション」は、撮影時の条件によって生じた色のズレや不自然さを修正し、自然で統一された色合いに整えることを目的としています。
主に以下のような作業が含まれます。
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一方、カラーグレーディングは、一般的にカラーコレクションの後に実施する工程です。
自然な色調に整えられた映像に対して、さらに表現や独自の雰囲気を付加することを目的としています。つまり、カラーコレクションが「正しい色」を追求するのに対し、カラーグレーディングは「魅力的な色」を追求する工程と言えるでしょう。
Part2.動画カラーグレーディングにおすすめの動画編集ソフト3選
カラーグレーディングのためには、適切なソフトウェアが必要不可欠です。本章では、動画のカラーグレーディングに特に優れた動画編集ソフトを3つ紹介します!
Filmora|初心者にも使いやすい多機能な動画編集ソフト
「Filmora(フィモーラ)」は、Wondershare社が開発した、直感的な操作が可能なUI(ユーザーインターフェース)と高度な機能やAI機能を兼ね備えた動画編集ソフトです。
世界150カ国以上で展開され、1億人以上のユーザーを抱える人気ソフトで、特にカラーグレーディング機能が充実しています。
上記はあくまでFilmoraに搭載されている色調整機能の一部に過ぎませんが、これらの機能を組み合わせることで、誰でも簡単にプロ級のカラーグレーディングが可能です。
また、Filmoraはアプリ版も提供されており、スマートフォンでも高度な色調整が可能です。
特徴 | ・直感的なUIで初心者でも使いやすい ・AI機能を活用した自動色調整 ・豊富なプリセットとテンプレート ・Windows/Mac両対応 ・マルチプラットフォーム対応 |
おすすめの人 | ・動画編集初心者〜プロまで幅広くおすすめ ・手軽に高品質な動画を作りたい方 ・AIを活用した効率的な編集を行いたい方 |
価格 | ・無料版あり(全機能使用可能※ウォーターマーク追加) ・ベーシックプラン:6,980円/年(税込)※7,980円より値引き中 ・アドバンスプラン:7,980円/年(税込)※8,980円より値引き中 ・永続ライセンス:8,980円/年(税込)※9,980円より値引き中 |
Adobe Premiere Pro|プロ仕様の高度なカラーグレーディングが可能
「Adobe Premiere Pro(アドビ プレミア プロ)」は、Adobe社が提供するプロ向けの動画編集ソフトです。高度なカラーグレーディング機能を備えており、実際に映画やテレビ番組の制作現場でも広く使用されています。
Premiere Proの主なカラーグレーディング機能には以下が挙げられます。
・Lumetri Color:直感的なインターフェースで高度な色調整が可能
・カラーホイール:色相、彩度、輝度を細かく調整
・カーブ:RGBチャンネルごとの詳細な調整が可能
・HSL セカンダリ:特定の色範囲のみを選択して調整
・ベクトルスコープ:色調整の正確性を視覚的に確認
・自動カラー補正:Adobe Sensei MLによるAIカラー補正機能で自動的にカラーを補正
ただし、サブスクリプションプランのみの用意となっており、動画編集ソフトとしては比較的高額な維持費がかかってしまう点には注意が必要です。
特徴 | ・プロ仕様の高度な編集機能 ・他のAdobe製品との強力な連携 ・豊富なプラグイン ・Windows/Mac両対応 ・サブスクリプションが高額 |
おすすめの人 | ・プロのクリエイターの方 ・高度なカラーグレーディングを行いたい方 ・他のAdobe製品と連携して作業したい方 |
価格 | ・月々プラン/月々払い:4,980円/月(税込) ・年間プラン/月々払い:3,280円/月(税込) ・年間プラン/一括払い:34,680円/年(税込) |
Final Cut Pro|Mac専用の直感的で高性能な動画編集ソフト
「Final Cut Pro」は、Apple社が販売しているMac専用の革新的な動画編集ソフトです。洗練された使いやすいインターフェースと強力なカラーグレーディング機能を兼ね備え、幅広い層のクリエイターから高い支持を得ています。
Final Cut Proのカラーグレーディング機能は、使いやすさと高度な調整能力を両立している点が大きな特徴です。
・カラーホイール:直感的な操作で色相、彩度、輝度を細かく調整
・カラーカーブ:RGB各チャンネルの詳細な調整が可能で、精密な色補正を実現
・カラーバランス:シーン全体の色調を統一し、プロフェッショナルな仕上がりを実現
・自動カラー補正:AIを活用して、自然で魅力的な色調を自動で実現
・LUTブラウザ:豊富なプリセットLUTを用意し、ワンクリックで映画のような色調を適用
特にMacユーザーにとっては、システムとの統合性や優れたパフォーマンスから、最も魅力的な選択肢の1つとなるでしょう。
ただし、購入方法として一括購入のみとなっており、こちらも高額な点が難点です。まずは、フリートライアル版か下位互換である「iMovie」を使用した上で、購入を検討するのがおすすめですよ。
特徴 | ・Mac専用の洗練されたデザイン ・直感的な操作性 ・プロ級のカラーグレーディング機能 ・Apple製品との高い親和性 |
おすすめの人 | ・Macユーザー ・YouTuberや映像クリエイター ・効率的な編集ワークフローを求める方 |
価格 | 45,000円/買い切り |
Part3.動画カラーグレーディングにおすすめの動画編集アプリ3選
スマホのスペックが日々向上している現在では、普段から持ち歩いているスマホからでも高度なカラーグレーディングが可能なアプリが登場しています。 ここでは、動画のカラーグレーディングに適したアプリを3つ紹介します。KineMaster|多機能で使いやすい動画編集アプリ
「KineMaster」は、スマートフォンやタブレットで使用できる高機能な動画編集アプリです。独特ながら直感的なUIと豊富な機能を兼ね備え、初心者からプロまで幅広いユーザーに支持されています。
KineMasterのカラーグレーディング機能は非常に充実しており、以下のような特徴があります。
・カラーフィルター:様々な雰囲気のプリセットフィルターを簡単に適用
・カラーアジャスト:明るさ、コントラスト、彩度、色温度などを細かく調整
・カラーホイール:色相、彩度、輝度を直感的に調整
・RGB曲線:RGB各チャンネルの詳細な調整が可能
KineMasterは、その高機能性と使いやすさから、多くのモバイル動画クリエイターに愛用されているアプリです。動画のカラーグレーディングをスマホから行いたい方は、無料版もあるため、まずは試してみることをおすすめします。
特徴 | ・直感的な操作性で初心者でも使いやすい ・プロ級の編集機能を搭載 ・豊富なエフェクトやトランジション ・大規模なプロジェクトではパフォーマンスが低下する可能性あり |
おすすめの人 | ・スマートフォンで高品質な動画編集をしたい方 ・YouTubeやSNS向けの動画を作成したい方 |
価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
Adobe Premiere Rush|プロ級の機能がスマホから使える!
「Adobe Premiere Rush(アドビ プレミア ラッシュ)」は、Adobe社が提供するモバイル向けの動画編集アプリです。先ほど紹介したPremiere Proの機能を簡略化し、モバイル向けに最適化されています。
Premiere Rushの主なカラーグレーディング機能には以下のようなものがあります。
・カラープリセット:様々な雰囲気のプリセットを簡単に適用
・カラー調整:露出、コントラスト、ハイライト、シャドウなどを調整
・色相・彩度:特定の色範囲の色相や彩度を調整
・ビネット:画面の周辺部分を暗くし、中心に注目を集める効果を追加
一方で、非常に高度な機能を持っているアプリですが、比例してスマホのスペックも高い必要がある点や、PremiereProに搭載されている様なAI機能はほとんど搭載されていない点などがデメリットです。
特徴 | ・Premiere Proの機能をモバイル向けに最適化 ・他のAdobe製品との連携が可能 ・クラウド同期でデバイス間の作業が容易 |
おすすめの人 | ・Adobe製品に慣れている方 ・複数のデバイスで編集作業を行いたい方 ・ソーシャルメディア向けの動画を手軽に作成したい方 |
価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
LumaFusion|iPadでプロ級の編集が可能
「LumaFusion(ルマフュージョン)」は、iPad向けに開発された高機能な動画編集アプリです。デスクトップソフト級の編集機能を持ちながら、タッチ操作に最適化されているのが最大の魅力でしょう。
LumaFusionの主なカラーグレーディング機能には以下のようなものがあります。
・カラーホイール:色相、彩度、輝度を直感的に調整
・カラーカーブ:RGB各チャンネルの詳細な調整が可能
・シャドウ/ミッドトーン/ハイライト:画像の暗部、中間部、明部をそれぞれ調整
・LUT:様々な色調整プリセットを簡単に適用
ただし、アニメーション作成やテキスト機能、レイヤー機能などに弱点があり、高度な動画編集という点ではFilmoraやPremiereProなどに劣る印象です。
特徴 | ・iPad向けに最適化されたプロ級の編集機能 ・マルチトラック編集が可能 ・外部ディスプレイ出力をサポート ・iOS/iPadOS専用 |
おすすめの人 | ・iPadで本格的な動画編集をしたい方 ・タッチ操作に慣れている方 |
価格 | 買い切り:4,500円(税込) |
Part4.動画カラーグレーディングツール一覧表
下記表では、各ツールのカラーグレーディング機能に焦点を当て、その特徴や強みを簡潔に紹介しています。
ツール名 | プラットフォーム | 価格 | 操作性 | 機能の充実度 | おすすめユーザー |
Filmora | PC/スマートフォン | 有料(サブスクリプション/買い切り) | 易しい | 高 | 初心者〜プロ |
Adobe Premiere Pro | PC | 有料(サブスクリプション) | 難しい | 高 | 中級者〜プロ |
Final Cut Pro | Mac | 有料(買い切り) | 中程度 | 高 | 初心者〜上級者 |
KineMaster | スマートフォン | 無料版あり/有料(サブスクリプション) | 易しい | 高 | 初心者〜プロ |
Adobe Premiere Rusho | スマートフォン | 有料(サブスクリプション) | 中程度 | 中 | 初心者〜中級者 |
LumaFusion | iPad | 有料(買い切り) | 中程度 | 高 | 中級者〜プロ |
自分のニーズや技術レベルと見合わせて、ツール選びの参考にしてください!
Part5.動画カラーグレーディングソフトの方法【Filmora】
本章では、先ほど紹介したツールから、初心者にも使いやすく、高度なカラーグレーディングが可能な「Filmora」を例に、具体的な操作方法を解説します。
Filmoraは無料版でも全ての機能を実際に使って試すことが可能です!ぜひインストールした上で、一緒に操作しながら読み進めてくださいね!
ステップ 1動画のインポート
まず、[新しいプロジェクト]をクリックし、新規プロジェクトを起動。[インポート]をクリックし、編集したい動画ファイルを選択します。(ドラッグ&ドロップでも可能)
インポートした動画をタイムラインにドラッグ&ドロップで配置しましょう。
ステップ 2基本的な色調整
タイムライン上の動画クリップを選択し、上部メニューから[色]タブを開きます。ここでは以下のタブからそれぞれ色を調整できます。
ベーシック:LUT、色、ライト、調整、ビネット、AIカラーパレット
HSL:色相、彩度、輝度
カーブ:カーブによる色調整
カラーホイール
プレビュー画面で効果を確認しながら色を調整してみましょう!
ステップ 3LUTプリセットを使ってみよう!
細かい調整が難しいという方は、LUTのプリセットを使用するのがおすすめです。
[ベーシック]内の[プリセット]から、好みの色を選択するだけで、簡単にカラーグレーディングが実施できます。選択するだけでプレビュー画面に反映されるため、好みのものを探してみましょう!
ステップ 4AIカラーパレット機能の使用
複数のクリップの色調を統一したい場合は新搭載の「AIカラーパレット」機能が便利です。基準となるクリップを選択して[AIカラーパレット]ボタンをONにし、色調を合わせたい参照フレームを選択。
[自動生成]をクリックすれば、AIが自動的に色調を取得してくれます!「比較表示」もできるため、直感的に理解しやすい点も魅力ですよ。
ステップ 5カスタムとして保存
一度作成した色調整設定は、[カスタムとして保存]することで、いつでも呼び出してすぐに適用できます。
わかりやすい名前をつけて、[OK]をクリックし、保存しておきましょう!
Part6.カラーグレーディングに関するよくある質問
最後に本章では、カラーグレーディングに関して、多くの方が抱きがちな疑問について回答していきます。
質問カラーグレーディングに適した動画の撮影方法はありますか?
できるだけフラットな設定で撮影することを意識することで、後編集の幅を広げられます。おすすめの方法は以下の通りです:
・カメラのピクチャープロファイルをLog設定にする
・RAW形式で撮影する
これらの設定により、後から色調整する自由度が高い映像を撮影できます。
ただし、上記設定の場合、撮影直後の映像は平坦に見えるため、カラーグレーディングが必須となる点には注意してください。
質問スマホで撮影した動画でもカラーグレーディングは効果的ですか?
もちろん、効果的です。
最新のスマートフォンは高品質な動画撮影が可能なので、適切なカラーグレーディングを行えば、よりクオリティを上げる事が可能になります。スマホ撮影時に効果を高めるポイントは以下の通りです:
・高画質設定で撮影する
・露出を適切に設定し、白飛びや黒つぶれを避ける
・可能ならRAWやLog形式で撮影できるアプリを使用する
・専用の編集アプリやソフトで調整する
質問カラーグレーディングで避けるべきミスはありますか?
主なミスの例は以下の通りです。
・過度な彩度調整
・不自然な肌の色
・一貫性のない色調整
・オリジナルの質感を失わせる極端な調整
・白飛びや黒つぶれの放置
・色かぶりの無視
カラーグレーディングではこれらを避けるため、全体のバランスを意識し、自然さを保ちつつ作品の雰囲気を引き立てることが重要になります。
定期的に原映像と比較しながら作業を進めることで、過度な調整を防げますよ!
カラーグレーディングで動画の質を高めよう
本記事では、動画のカラーグレーディングについて、その基本から具体的な方法まで幅広く解説しました。カラーグレーディングは、動画に独自の雰囲気や印象を与え、作品の質を大きく向上させる重要な技術です。
カラーグレーディングのスキルを向上させるには、基礎知識の習得と継続的な練習が重要です。色彩理論を学び、実際に多くの作品を手がけることで、徐々にスキルアップしていくことができるでしょう。ぜひ本記事で紹介したツールや技法を活用し、あなたの動画作品をより魅力的なものに仕上げてみてください!
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