画像編集ソフトとして人気なGIMPでは、GIFの作成も可能です。しかし、具体的な方法を知らない方もいるでしょう。今回は、GIFアニメーションをGIMPで作成する方法を初心者向けにご紹介します。
また、GIMP以外にもGIFを作成できるツールがあります。どちらのほうが使用しやすいかについても解説するため、GIFの作成に悩んでいる方、どのソフトを活用するか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
1.GIMPとは?GIF作成の基本

GIMPとは、無料で使用できる画像編集ソフトです。画像の細かい編集やGIFの作成を得意としており、画像編集初心者の方でも使用しやすい点が特徴です。
【GIMPの特徴とGIF作成に適している理由】
料金 |
無料 |
対応端末 |
Windows、macOS、Linux |
対応編集 |
画像編集のみ(動画編集は不可) |
公式サイト |
https://www.gimp.org/ |
GIFに適している理由 |
・レイヤー機能の搭載:1レイヤー1フレームとして扱えるため、高度なアニメーションGIFの作成が可能 ・アニメーションプレビュー:再生速度や動作確認が可能 ・透過処理:GIF形式の透過背景に対応 ・柔軟な編集機能:レイヤーごとにエフェクトなどの追加が可能 |
GIMPは、WindowsにもmacOSにも対応しており、PCを持っている多くの方が使用できます。無料で使用できる点も魅力であり、「とりあえず画像編集をしてみたい」「無料で手軽に高度なGIFを作りたい」という方におすすめです。
ダウンロードの手順は以下の通りです。
- GIMPにアクセスする
- 「Download」を選択
- 「Download GIMP directly」をクリック
- ダウンロード後インストーラーを実行
ダウンロードは少し時間がかかるため、使用したいタイミングが決まっている場合は早めにしておくとよいでしょう。

2.GIMPでGIFアニメーションを作る手順
GIMPがデバイスに加わったら、いよいよGIF作成です。
GIMPでGIFアニメーションを作る手順は以下の通りです。
- 画像を準備する
- GIMPでレイヤーを作成する
- アニメーションを設定する
- GIFとしてエクスポートする
詳しい方法を解説するため、GIMPでのGIF作成方法に悩んでいる方は、ぜひ一緒に行いましょう。
ステップ1.画像の準備
まずは、画像の準備を行います。事前に使用する画像が決まっている場合は、以下の手順で行いましょう。
- 画面上部のメニューバーの「ファイル」をクリックし、「レイヤーとして開く」をクリックする
「ファイル」をクリックし、「レイヤーとして開く」をクリック - GIFの素材となる画像を全て選択し、「開く」を選択する
画像を全て選択し、「開く」を選択 - 画面上部のメニューバーの「画像」をクリックし、「画像の拡大・縮小」を選択する
「画像の拡大・縮小」を選択 - 作成したいGIFの幅と高さを指定して「拡大・縮小」ボタンをクリックする
「拡大・縮小」ボタンをクリック
また、GIMPでGIF化させたい画像を作成することもできます。描画ツールなどを活用すれば、オリジナルの素材を作成できるため、GIMP内で完結させたい方はぜひ試してみてください。
ステップ2. GIMPでのレイヤー作成
画像をインポートしたら、レイヤーを整えてGIFの土台を作ります。
- 画面右下のレイヤーを、読み込んだ素材を表示させる順番に並び替える
読み込んだ素材を表示させる順番に並び替え - 各レイヤーをダブルクリックし、レイヤー名の変更を行う。
レイヤー名の変更を行う
レイヤーは、一番下が開始フレーム、上が終了フレームです。ドラッグ&ドロップで順番は入れ替えられるため、最初から順番通りにする必要はありません。
レイヤー名は必ずしも変更する必要はありませんが、変えておくとどのレイヤーが何を示しているか分かりやすくなり、効率よく編集ができます。
ステップ3. アニメーション設定
土台ができたら、再生時間やループの設定を行いましょう。
- レイヤーをダブルクリックし、レイヤー名の最後にフレーム時間を設定する。
レイヤー名の最後にフレーム時間を設定 - 画面上部のメニューバーの「フィルター」をクリックし、「アニメーション」をクリック。その後、「GIF用最適化」をクリックする。
「GIF用最適化」をクリック
GIMPでは、レイヤーごとにフレーム時間の調整が可能です。例えば、1つのレイヤーを100ミリ秒(0.1秒)表示させる場合、frame1(100ms)と変更します。先頭のレイヤー以外のレイヤー名の後ろに(100ms)(combine)と表示されていれば、調整完了です。
ステップ4. GIFとしてエクスポート

すべての調整ができたら、GIF形式で保存します。
- 画面上部のメニューバーの「ファイル」をクリックし、「名前をつけてエクスポート」を選択
「名前をつけてエクスポート」を選択 - ファイル名を変更>拡張子「.gif」>「エクスポート」
ファイル名を変更 - 「As animeation」にチェックし、エクスポートボタンをクリック
エクスポートボタンをクリック
ループ回数を指定したい場合は、エクスポート用の画面が表示されたタイミングで変更できます。最終調整が完了したらエクスポートボタンをクリックし、GIFの保存を行いましょう。
GIMPでGIFを作成する際の注意点
GIMPでGIFを作成する際の注意点は以下の通りです。
- 画像の大幅な拡大・縮小はGIFのクオリティを下げる原因になる:GIMPはドットを集合させて色を構成する仕組みになっており、特に画像を拡大すると画質が粗くなりやすいため、新規作成時にピクセル数を画像にあわせておくことが大切
- 色が256色までに制限される:GIFで保存する場合はほかの形式に比べて対応色が限られるため、場合によっては素材画像よりも低解像度のGIFになる場合もある
- 立ち上げに時間がかかりやすい:ソフト自体の立ち上げに時間がかかりやすいため、少しストレスに感じることがあるかもしれません。しかし、操作性などは問題なく使用できるため、無量と考えれば我慢できる程度です。
- 「GIF用最適化」では速度調整などはできない:あくまでもいらない部分やフレームで被る部分を削除する機能であり、GIFの速度調整はできません。
GIFが早すぎたり遅すぎたりする場合は、手動でフレーム時間を調整する必要があります。
例えば、「ステップ4:.GIFとしてエクスポート」のフレーム時間を調整したGIFは以下の通りです。

少しスピードを落としたことで、全体の動きが見やすくなりました。
GIMPでGIFを作成する際は、注意点に気をつけながら機能を使いこなしましょう。

3.GIMP以外の選択肢:Filmoraで簡単にGIFを作る方法
画像・動画編集を行える「Filmora」でも、GIFの作成が可能です。
Filmoraは、動画からも画像からもGIF変換が可能であり、6ステップほどの簡単な操作でGIFを作成できます。また、AIを活用して素材の背景を削除するなど、細かい編集も可能です。
ここでは、Filmoraの特徴や実際の作成手順について解説します。
①Filmoraの特徴とメリット
Filmoraとは最新のAI技術を搭載し、主に動画編集を得意としたツールです。高度な編集もAIを使用して行えるため、初心者の方からプロの編集者まで多くの方が動画編集に活用しています。
さまざまな編集に対応しており、動画以外にもJPEGやGIFなど画像形式の保存も可能です。Filmoraの特徴やメリットは以下の通りです。
【Filmoraの特徴とメリット】
料金 |
無料版あり 【有料版】 ・ベーシック年間プラン:6,980円/年 ・アドバンス年間プラン:7,980円/年 ・永続ライセンス:8,980円/年 |
対応端末 |
Windows、macOS、Android、iOS |
対応編集 |
動画編集・画像編集 |
公式サイト |
https://filmora.wondershare.jp/ |
メリット |
・直感的なドラッグ&ドロップのインターフェース ・豊富なエフェクトやテンプレートが用意されている ・動画からGIFへの変換が簡単 ・画質調整やサイズ変更が直感的に操作可能 ・プレビュー機能でリアルタイムに確認できる |
Filmoraは操作性に優れている点が、動画編集歴が浅い方でも使いやすい理由の1つでもあります。インポートした画像や動画、豊富なエフェクトなどを直感的な操作で編集できるため、スムーズに作品制作を行えるでしょう。

また、スマートフォン用のアプリもあります。ログインすればPCからもスマートフォンからも編集でき、PCを持ち運ぶ必要がありません。無料体験では有料機能も使用できるため、ぜひダウンロードしてFilmoraでGIFを作成してみてください。
②Filmoraを使ったGIF作成手順
Filmoraを使ったGIFの作成手順は以下の通りです。
- 新しいプロジェクトを立ち上げる
- 「メディア」>「インポート」から使用する画像を選択する
- 画像をタイムラインに挿し込む
- 画像をトリミングしてGIFにしたい長さに調整する
- エフェクトやテキストなどを追加する
- GIFを保存する
なお、今回はGIMPにあわせて画像を用いてGIF作成を行います。もともとFilmoraは動画編集を得意としたツールのため、動画からのGIF作成ももちろん可能です。
動画からのGIF作成は以下の記事で行っているため、ぜひ参考にしてください。
関係記事: 【Windows対応】GIF作成ソフト完全比較|フリーソフトからFilmoraのプロ編集術まで
ステップ1.新しいプロジェクトを立ち上げる

まずはGIFを作成するために新しいプロジェクトを立ち上げます。
ステップ2.「メディア」>「インポート」から使用する画像を選択する

続いて、GIF化したい画像をインポートします。
基本的には、プロジェクトを立ち上げるとメディアタブのインポート画面が表示されるため、画像を挿入しましょう。
画像からGIFを作成する際は、4~6枚ほどあると動きのあるGIFを作成できます。
ステップ3.画像をタイムラインに挿し込む

画像が挿入出来たら、ドラッグ&ドロップでタイムラインに画像を入れます。タイムラインは動画やGIFの長さを調整したり、全体の動きを確認したりできる場所です。
タイムラインに素材がなければ動画やGIFの作成ができないため、画像を挿入してGIFの土台を作りましょう。
ステップ4.画像をトリミングしてGIFにしたい長さに調整する

タイムライン上で画像をトリミングし、GIFの長さを調整します。Filmoraでは、画像1枚当たりの表示時間が5秒に設定されています。4枚入れた場合は、合計で20秒のGIFになるため、短くしたり長くしたりしたい場合は調整が必要です。
長さを調整する際は、画像の終わり部分にカーソルをあてると、「←」に似たようなマークが表示されるため、クリックして自身が目的としている秒数に調整します。
例えば、SNS用のGIFを作成する際は、5秒程度がおすすめです。サクッと視聴できる秒数でキャッチーなイメージにもなるため、印象に残るGIFを作成したい方は短い秒数にするとよいでしょう。なお、今回は5秒程度になるように作成しています。
GIMPの仕上がりのように、動作を細かくしたい場合は、各表示時間を0.2~0.3秒ほどにすると同じように仕上がります。
ステップ5.エフェクトやテキストなどを追加する

必要であればエフェクトやテキスト、ステッカーなどを挿入します。
左上のタブから入れたい素材を選択し、ドラッグ&ドロップでタイムラインに表示しましょう。
画像と同様、エフェクトなどもすべて秒数を選択できるため、必要に応じて調整します。
例えば、ステッカーを2~3枚目のあいだだけ表示させたい場合は、1枚目と4枚目に被らないようにトリミングします。
テキストや表情を表すようなステッカーは、GIFの雰囲気を整える効果があるため、ぜひ活用してください。
ステップ6.GIFを保存する
編集が完了したらGIFを保存します。
右上から「エクスポート」>「フォーマット」からGIFを選択する流れで、最後に「エクスポート」をクリックすれば、デバイスへ保存されます。

FilmoraではGIFを保存する際に解像度を調整でき、画質が低下しがちなGIFを少しでも高クオリティに仕上げられます。具体的な方法は以下の記事をご覧ください。
関係記事: 【最新】録音音声から雑音が消せる!ノイズ除去ソフト/アプリ/サイト9選
4.【GIMP vs Filmora】GIF作成なら どちらを選ぶ?
GIMPもFilmoraも高クオリティのGIF作成が可能です。そのため、どちらを使用するか悩む方もいるでしょう。GIMPとFilmoraの違いや特徴は以下の通りです。
|
GIMP |
Filmora |
理由 |
料金 |
〇 |
|
GIMPは完全無料で使用できる点が魅力 Filmoraは無料版でGIFも作成できるが、有料版のほうが素材などが豊富 |
使いやすさ |
〇 |
〇 |
どちらも初心者でも使いやすい点が魅力の1つ |
GIF変換 |
〇 |
〇 |
どちらもGIF形式の保存に対応している |
編集対応形式 |
|
〇 |
GIMPは画像のみ、Filmoraは画像と動画に対応 |
保存対応形式 |
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〇 |
GIMPは画像のみ、Filmoraは画像と動画に対応 |
ファイルサイズ |
〇 |
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GIMPで作成したGIFのほうが容量を抑えられるため、SNSのアップロード時なども重くなりにくい |
仕上がり |
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〇 |
素材の画質のままGIF保存を実現するため、仕上がりがきれいになりやすい |
料金重視の方、GIF作成が画像からで問題ない方、仕上がりよりもファイルサイズを優先したい方は「GIMP」がおすすめです。完全無料で使用できるため、コストを抑えながらGIF作成を行えます。
動画からもGIFを作成したい方、仕上がりをきれいにしたい方はFilmoraがおすすめです。特に滑らかなGIFを作成したい方は、画像だけでは難しい傾向にあるため、動画からGIFを作ることができるソフトを使用したほうが満足な仕上がりになるでしょう。
GIFを作成する目的や素材にあわせて、どちらを使うか検討してみてください。

5.よくある質問
最後に、GIMPやFilmoraでGIF作成をする際によくある質問を3つご紹介します。
Q1.GIFのファイルサイズを小さくする方法はありますか?
GIMPでは、『フィルター→アニメーション→最適化(差分)』の手順でフレーム間の重複部分を削除することで、ファイルサイズを小さくします。
Filmoraの場合、ダウンロード時にGIFのファイルサイズ調整が可能です。
保存形式をGIFに選択したら、詳細設定を開きましょう。fpsとビットレートの変更が可能なため、数値の低い状態に変更して保存すればファイルサイズが小さくなります。
ファイルサイズを小さくすると、SNSなどに投稿する際に重くなりにくい、動画よりも容量を抑えられるなどメリットが多々あります。解像度や画質は落ちますが、ファイルサイズが気になる際はぜひ試してみてください。
Q2.GIMPとFilmoraのGIFの仕上がりは変わりますか?
GIMPとFilmoraでは、GIFの仕上がりに違いが出る可能性が少なからずあります。
例えば、GIMPでは画像からしかGIFを作成できないため、映像のように滑らかなGIFを作成しようとすると膨大な画像が必要です。しかし、Filmoraは動画からGIFの作成が可能であり、自然で滑らかなGIFを短時間で作成できます。
また、GIMPは新規画像を作成するタイミングでピクセル数などを調整するため、もとの画像サイズによっては画質が粗くなる場合もあるでしょう。Filmoraは元画像や動画の解像度を保った状態でGIFに変換できるため、比較的高解像度のGIFの出力が可能です。
なお、GIMPはピクセル単位の細かい編集を得意としており、ドット絵風のアニメーション作成にぴったりです。ドット絵はレトロな雰囲気や昔のゲームなどを想像させるような雰囲気が特徴であり、アナログ感のあるGIFを作成したい方に向いているでしょう。
Q3.GIMPでフレーム間隔を調整する方法は?
GIMPでフレーム間隔を調整する場合、以下の手順で行います。
- アニメーションGIFのオプションを開く
- 指定しない場合のディレイ>フレーム間隔の時間を入れる
- 全フレームのディレイにこの値を使用にチェックを入れる
この手順で簡単にフレーム間隔を調整できるため、ぜひ試してみてください。
なお、Filmoraでは、タイムライン上でフレームの調整を行えます。時間調整はもちろん、キーフレームを使用して動きの速度をコントロールすることもできるため、動画編集やステッカーなどに動きをつける編集をしたい場合に活用してみてください。
6.まとめ
GIMPは画像からGIFを作成できる便利なソフトです。無料で使用できるため、初めて画像からGIFを作成する方にもよいでしょう。一方で動画からGIFを作成することはできません。
また、GIMPの特性上、どうしてもGIFの画質が落ちやすい傾向にあるため、動画からGIFを作りたい方や、画質・解像度を保ちたい方はFilmoraがおすすめです。
無料版でもGIFのダウンロードが可能であり、有料版にするとAI機能やステッカーなど豊富な素材も活用できます。GIFの作成に悩んでいる方は、ぜひGIMPやFilmoraを使ってみてください。

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