初盆の親族への適切な贈り物は?挨拶の文例もあわせて紹介
お盆には【新盆・初盆】と呼ばれるものがあります。新盆・初盆は従来のお盆とは違うマナーが存在します。贈り物で相手に不快感を与える可能性もあるので、初盆についてはしっかりと理解しておきましょう。
今回は、新盆・初盆の意味ややり方、具体的なマナーなどについて解説します。お盆前にマナーを理解したい方は、本記事をぜひ参考にしてください。
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1.新盆・初盆 とは?やり方は?
新盆・初盆とは、四十九日を終えたはじめてのお盆を意味します。「新盆」は主に西日本で使用されており、「初盆」は東日本で使用される傾向にあります。しかし、地域や家庭によっても呼び方は異なるので注意しましょう。
通常のお盆と異なる点は、法要を執り行うかです。新盆・初盆では法要を執り行うことが一般的であり、僧侶を招いて読経や法話をしてもらいます。
新盆・初盆の準備や手順
新盆・初盆の時期やお供え物、当日の具体的な流れは地域や家庭によって異なります。しかし、一般的とされている新盆・初盆のやり方は以下の通りです。
- 仏壇・精霊棚の準備
- 法要の執り行い
- お墓参り
- 会食
地域や家庭、宗派によっては、法要の前にお墓参りをするケースもみられます。新盆・初盆に参列するかたは、喪家の仕来たりを事前に理解しておきましょう。
2.お盆(新盆・初盆 )参りの挨拶とマナーについて
新盆・初盆には挨拶やマナーがあります。地域や家庭によって内容は異なりますが、失礼にあたらないよう注意してください。
2.1.服装
新盆・初盆に列席する際は、黒色や紺色の喪服・礼服を着ることが一般的です。男性の場合、スーツに白シャツ、無地のネクタイを着用するケースが多くみられます。女性はスーツやワンピースを着用することが多く、アクセサリーやメイクは控えめにすることが基本とされています。
和服の場合、男性は黒か紺の羽織袴、女性は袷(あわせ)か単衣(ひとえ)に仕立てた黒か紺の着物を着用することが多いです。地域や宗派によっては和装での列席が習わしになっているため、列席する前に親族に確認することをおすすめします。
2.2.挨拶
初盆当日の法要では、喪主から参列者に挨拶を行うことが一般的とされています。法要の挨拶は、列席者への感謝、喪主・喪家が今後どのように進んでいくかを話しましょう。
「静かなお盆でおめでとうございます」という言葉も一般的ですが、新盆・初盆では失礼にあたります。理由は、【一年間故人がでなかったことを示す挨拶】だからです。また、故人の死因を詮索したり、不謹慎な冗談などの発言も慎みましょう。
2.3.お土産・贈り物
新盆・初盆でのお土産や贈り物は、【消えもの】と呼ばれる食べ物や飲み物が一般的です。地域や宗派によって適切なお土産や贈りものは異なりますが、具体的な事例は以下の通りです。
お菓子 |
日持ちするものが良いとされています。クッキーやおかき、ゼリーなどが挙げられます。 |
果物 |
季節にあった果物は、お盆のお土産・贈り物に良いとされています。一般的には、りんごやみかんなどが多いです。 |
白提灯・御提灯 |
地域・宗派によっては提灯を贈る風習があります。 |
仏花 |
仏花は菊などが一般的とされています。しかし、故人が好きだった花をお供えすることも良いとされています。 |
ロウソクや線香なども贈り物として選ばれることが多いです。しかし、線香やロウソクは葬儀業者からもらうことも多くあります。そのため、贈り物でロウソクや線香を届けた場合、使い切れない可能性があります。
親族からも線香をもらうことは多いので、ロウソクや線香などは避ける方が無難と考えられます。
2.4.お返し
初盆のお返しは、故人に対する感謝の気持ちを表すものです。一般的にはお供え頂いた金額の半分程度が相場とされています。
また、お返しには消え物や日用品を選ぶとよいでしょう。具体的には、洗剤や洋菓子などが人気です。
お返しは法要に参加してくれた方やお参りに来てくれた方に手渡すことが一般的です。しかし、遠方で出席できなかった方には、郵送でお返しの品を贈ります。その場合、お盆の1週間前から前日までに届くように送りましょう。
2.5.香典
香典の金額は故人との関係性によってことなりますが、3,000円〜10,000円が相場といわれています。4や9などの数字は不吉といわれているので、切りの良い金額に調整することが大切です。
法要後に会食がある場合は、香典に食事代を上乗せすることがマナーといわれています。こちらの相場も3,000円〜10,000円です。また、香典に包むお金は新札ではなくても大丈夫ですが、汚れや破れが目立つお札は使用しないことをおすすめします。
3.初盆挨拶の例文まとめ
ここでは、初盆の挨拶についての例文を見ていきましょう。
3.1.招く側初盆の喪主
まずは、喪主の例文を紹介します。
・挨拶状の例文
謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 この度、亡き〇〇 〇〇の初盆法要を催すこととなりました。つきまして、お暑い中ご足労いただき恐縮ですが、ご参列賜りますようご案内申し上げます。 敬具 日時: 尚、初盆が終わりましたら〇〇(会食会場)にて会食の席を設けておりますので、ご臨席を賜りますようお願い申し上げます。 お手数ですがご都合の程を◯月◯日までにご返信頂けますと幸いです。 以上 令和◯年◯月◯日 喪主名 |
・会食における挨拶例
本日はお忙しい中、亡き〇〇 〇〇の初盆法要にご参列くださり、誠にありがとうございます。 皆様のお陰で無事法要を執り行うことができました。 生前親しくしていただいた方々にお集まり頂けて、故人も喜んでいることと思います。 -故人のエピソードなど- 皆様にはあたたかい励ましや、私たちに寄り添ったお心遣いを頂き、大変感謝しております。 今後とも変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いします。 心ばかりではありますが、お食事をご用意しております。お時間の許す限り、ごゆっくりお過ごしいただけると幸いです。 本日はご参列くださり、誠にありがとうございました。 |
・参列していただいた方への挨拶状例文
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 このたびは、亡き〇〇 〇〇 初盆に際しまして、お暑い中にもかかわらずお集まりいただき、ご つきまして、亡き〇〇 〇〇の初盆供養の印として、お気持ちだけの品をお届けさせていただきます。恐縮ではございますが、書面にてのご挨拶とさせていただきます。 敬具 令和◯年◯月◯日 親戚一同 |
・参列できなかった方への挨拶状
拝啓 去る◯月◯日 お陰をもちまして、亡き〇〇 〇〇 初盆法要を滞りなく済ませました。 初盆に際してご誠に重なるご厚志を賜り大変ありがたく存じております。故人も浄土にて感謝していることかと思います。 つきましては、ささやかではありますが、亡き〇〇 〇〇の初盆供養の印として、心ばかりの品を送らせていただきました。ご受納賜りたくお願い申し上げます。 本来であれば拝眉の上でお礼を申し上げるところではございますが、略儀ながら書中をもちまして謹んでご挨拶申し上げます。 敬具 令和◯年◯月◯日 親戚一同 |
3.2.招かれた側参列者
次に、参列する方の例文をみていきましょう。なお、列席する場合は返信用の手紙に【列席】と印をつけて、手紙を返信しましょう。
・初盆に列席できない場合の例文
拝啓 暑さ厳しき折柄、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。 〇〇〇〇様におかれまして初盆を迎え法要を取置行う旨を承っておりますが、法要当日が〇〇であるため、残念ながらお伺いすることができません。遠方より合掌させていただきたいと存じます。 気持ちばかりではありますが御香料を同封させていただきましたので、どうぞ御仏前にお供えくださいますよう、お願い申し上げます。 末筆ながら、皆様のご健康・ご多幸をお祈り申し上げます。 敬具 |
4.ほかの注意事項
最後に、新盆・初盆に関する注意点を紹介します。以下の注意点を理解して、新盆・初盆に参列しましょう。
- 高額な贈り物はしない
- 故人が好きだったもの贈る際は注意する
順番にみていきましょう。
高額な贈り物はしない
初盆での贈り物は、高額なものは避けましょう。理由は、喪主の負担が大きくなるからです。贈り物の相場は、3,000円〜5,000円程度といわれています。喪主に返礼品を選びやすくするためにも、数万円の贈り物は避けることが無難です。
故人が好きだったもの贈る際は注意する
贈り物を選ぶ際に、故人が好きだった食べ物や飲み物を贈る方もみられます。選択としては間違っていませんが、注意が必要です。なぜなら、故人が好きだったものを贈ることで喪主が悲しむ可能性があるからです。
故人の生前の人柄にもよりますが、初盆の贈り物は無難なものを選ぶ方がよいでしょう。
まとめ:新盆・初盆の贈り物は慎重に
新盆・初盆とは、四十九日を終えたはじめてのお盆を意味します。喪主・喪家にとっても大切な時間になりますので、マナーを守り、適切な対応を心がけましょう。
特に、贈り物には注意が必要です。高額なものや故人が好きだったものを贈ると失礼になる可能性があります。また、お供えものにもマナーが存在します。ご先祖様に失礼のないようにお供えする料理は正しく理解しておきましょう。
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