曲作りやDJのセットを準備するとき、楽曲のキー(調性)やBPM、細かな雰囲気を耳だけで判断するには、思った以上に時間がかかります。そんな手間を減らせるのが、AI音楽解析ツールです。
AIによる楽曲分析は、作曲の研究をしたいミュージシャンや自作曲をチェックする音楽プロデューサー、セットリストを組むDJだけでなく、映像に合うBGMを探す動画クリエイターや音楽研究者にも役立ちます。本記事では、2026年に試したいAI音楽解析ツール7選を、特徴・料金・向いている用途とともに詳しく紹介します。

AI音楽解析ツールおすすめ7選|特徴・料金を比較【2026年版】
曲のBPMやキーを調べたい、コード進行を解析したい、ジャンルや雰囲気に合うBGMを見つけたい。そんなときに役立つのがAI音楽解析ツールです。ただし、BPM・キーの検出に強いもの、楽曲のムードを文章で説明できるもの、大量の曲を自動分類するものなど、得意分野はさまざま。ここでは各ツールの対象ユーザー、主な機能、メリット・デメリット、料金を同じ項目で整理して紹介します。
1. Remusic
おすすめのユーザー:音楽理論を手早く分析したいインディーズアーティスト、作曲家、ビートメイカー
最初に紹介するRemusicは、楽曲の構成を理解したいクリエイター向けのAI音楽分析ツールです。「Song Analyzer」を使うと、リズムやビートパターン、メロディーの動き、コード進行、高音域と低音域のバランスなどを解析できます。分析結果は波形で視覚的に確認でき、レポートとしてダウンロードすることも可能です。単にジャンルを判定するだけでなく、曲がどのように作られているかを学びたい場合に役立ちます。

主な機能:
- リズム・ビート・BPMに加え、メロディーの動きや音高の細かな変化を検出
- コード進行を抽出し、DAWなどの音楽制作ソフトで再利用できるMIDI形式で書き出し
- ボーカル、ベース、ドラム、ギター、ピアノなどのパートを分離するステム分離機能も搭載
- 分析レポートをダウンロードして、必要なときに結果を見返せる
メリット:
- 主要な解析機能はアカウント登録なしでも試せる
- 解析結果を参考に、そのままAI音楽制作機能も利用できる
デメリット:
- アップロードできるファイルは最大20MB
- 高度な解析設定は、使い方に慣れるまで少し時間がかかる場合がある
料金:毎日付与されるクレジットを使える無料プランがあります。有料プランは月額4.90米ドルからです。
2. Fylmio
おすすめのユーザー:映像のイメージに合う楽曲を探したい動画クリエイターやSNS動画編集者
「この曲は何のジャンル?」だけでなく「どんな映像がこの曲に合う?」まで知りたいなら、Fylmioが候補になります。無料で試せるAI音楽解析機能では、ジャンル、BPM、ボーカルの有無、言語、ムード、雰囲気、楽器、再生時間、楽曲の特徴を説明する文章などを抽出します。数値データを表示するだけでなく、その楽曲に合った映像制作のアイデアにつなげられる点が特徴です。

主な機能:
- ジャンル、BPM、ボーカルの有無を一度の解析で判定
- 歌詞の言語を検出し、多言語コンテンツや海外向け動画の制作に活用できる
- 使用楽器を識別し、アレンジの特徴を把握できる
- 解析結果をもとに、AIがミュージックビデオの企画アイデアを提案
メリット:
- 基本的な楽曲解析は無料枠で試せる
- 音響エンジニア向けの難しい操作ではなく、クリエイターにも使いやすい画面構成
デメリット:
- Aメロ・サビなどの楽曲構成を細かく分解する機能はない
- アップロード上限は10MB、解析できる楽曲は5分以内
料金:無料で利用できる範囲があります。ログイン後の解析はクレジット制で、有料プランは月額29米ドルからとされています。利用条件は公式サイトで確認してください。
3. Cyanite.ai
おすすめのユーザー:大量の楽曲を管理する音楽監修者、シンクロライセンス関連会社、レコードレーベル
Cyanite.aiは、音楽業界のプロ向けに設計されたAI楽曲解析・自動タグ付けサービスです。音源ライブラリ全体に詳しいタグを付けることで、数百曲から数千曲規模のカタログでも目的に合った楽曲を検索しやすくなります。1曲の分析にとどまらず、広告や映像作品で使う音楽を大量の候補から探したいチームに向いています。

主な機能:
- ジャンル、ムード、楽器編成などに関する100種類以上のタグを自動生成
- サウンドの特徴が似ている楽曲を探せる類似曲検索
- 感情の強さや変化を視覚化するマップ
- API連携による独自の楽曲カタログ管理システムの構築
メリット:
- 表面的なジャンル判定だけでなく、検索性を高める詳細なタグ付けに対応
- 個人利用だけでなく、共有ライブラリを管理するチームにも便利
デメリット:
- 利用開始時にアカウント登録や導入手続きが必要
- メタデータの解析・検索が中心で、ミックス音質や制作手法への評価には向かない
料金:楽曲数やAPIの利用規模に応じた法人向け料金体系です。個人の音楽制作者よりも業務利用を想定しています。
4. BeMusic AI
おすすめのユーザー:音楽解析だけでなく、AI作曲や音楽生成まで一つのサービスで使いたいクリエイター
参考曲の構成やスタイルを調べ、それを新しい楽曲制作に生かしたい場合にはBeMusic AIも選択肢です。解析した曲の特徴を、AI音楽生成で使えるプロンプトに変換できます。BPM、キー、ジャンル、使用楽器、歌唱スタイル、プロダクションの特徴、ムードの7項目から楽曲を分析します。

主な機能:
- ジャンル、ムード、テンポなどの特徴をAI音楽生成の指示に活用
- 音楽解析とあわせて、ボーカル除去やステム分離も利用可能
- AI歌詞生成ツールとインストゥルメンタル音源生成機能を搭載
- 生成した音源をMP3やロスレスWAV形式でダウンロード
メリット:
- 新規登録時に無料クレジットが付与される場合があり、機能を試しやすい
- 最大50MBの音声ファイルに対応
デメリット:
- コード進行や曲のセクション構造など、音楽理論に関する詳細分析は比較的少ない
- 外部レビューには評価のばらつきがあり、解析結果も曲によって異なる可能性がある
料金:新規登録時に40クレジット(約4曲分)が提供される場合があります。Liteプランは月額14.99米ドルからで、上位のProプランでは商用利用ライセンスなどが利用できます。
5. SONOTELLER
おすすめのユーザー:楽曲の歌詞と音の両面を確認したいコンテンツ審査担当者、作詞家、プレイリスト編集者
音の特徴だけでなく歌詞の内容まで含めてAIで楽曲を分析したいなら、SONOTELLERが便利です。音源と歌詞を総合的に解析して、曲がどのようなテーマを表現しているのかを要約します。ジャンルやサブジャンル、ムード、楽器、BPM、キー、ボーカル、言語、歌詞のテーマ、不適切な表現の有無なども確認できます。

主な機能:
- 歌詞と伴奏を組み合わせた総合的な分析
- 楽曲の主題や歌詞のストーリーをまとめる要約生成
- 露骨な表現の有無やムードに関する注意情報の提示
- 中心となる楽器や歌唱スタイルの識別
メリット:
- 音声ファイルをアップロードせずに検索などから分析できる
- 曲の特徴が凝縮された「Golden Minute(ゴールデン・ミニット)」は、プレイリスト選定やハイライト探しに便利
デメリット:
- 英語以外の歌詞では細かなニュアンスを十分に捉えられない場合がある
- 演奏者向けの詳しいコード譜・ダイアグラムは少ない
料金:1日あたりの分析回数に制限がある無料版を利用できます。API料金はRapidAPIで案内されており、レーベル向けには50%割引があります。
6. AI Music Analyzer
おすすめのユーザー:基本情報だけでなく楽曲の完成度に関する評価も知りたいプロデューサー、アーティスト、A&R担当者、レーベル
サービス名もそのままの「AI Music Analyzer」は、BPM・キー・音量・ジャンルといった基本的な解析に加えて、独自のHit Factorスコアを算出するツールです。サビの盛り上がりやラウドネス、低音域のバランスなども評価項目に含まれます。基本的な解析を試せるため、音楽理論を勉強している学生や趣味で作曲する方の入門にも向いています。

主な機能:
- 小数点以下まで表示できる高精度なBPM検出
- DJのハーモニックミキシングに役立つCamelot Wheel(キャメロット表記)のキー表示
- ラウドネス(LUFS)とダイナミックヘッドルームの測定値を表示
- 曲の区間ごとの特徴を確認しやすい波形・周波数スペクトル表示
メリット:
- レーベル向けには最大10曲の一括解析にも対応
- メロディーの研究や再利用に役立つMIDI書き出し機能
デメリット:
- 楽曲の文章説明や要約は生成できない
- リズムやコードの解析に比べ、ジャンル判定はそれほど重視されていない
料金:5トークンが付く1日間の無料トライアルがあります。その後は一般的な月額課金ではなく、HitCoinsを購入して利用する仕組みです。
7. Bridge
おすすめのユーザー:大量の楽曲に統一したタグを付けたいレーベル、音楽出版社、シンクロライセンス関連会社
最後に紹介するBridgeは、楽曲を1曲ずつ分析するだけでなく、音楽ライブラリ全体を自動でタグ付けできるサービスです。ボーカルの種類、使用楽器、ムード、ジャンル、構成、テンポなどを分類します。また、音楽を映像作品や広告にライセンス提供するためのマーケットプレイス「Bridge Sync」も提供しており、成約時の手数料が0%と案内されています。楽曲の発見性向上やライセンス活用を重視する方に適しています。

主な機能:
- ムード、楽器編成、テンポなどを自動でタグ付け
- メタデータを確認できるオーディオプレーヤーを搭載
- ワークスペース内のフォルダーを横断するスマート検索フィルター
- 音楽エージェンシー向けのカスタム提案ページを作成
メリット:
- 曲の構成に関するタグ付けが、ほかのツールよりも細かい
- 小規模な音楽カタログ向けの無料プランもあり、法人以外でも利用できる
デメリット:
- 1曲だけを気軽に分析したい用途には向いていない
- ミックスや制作工程の評価よりも、メタデータ管理とタグ付けに特化している
料金:非公開ワークスペースで最大50曲、メンバー3人まで利用できる無料プランがあります。有料プランは月額5.83米ドルからです。
Part 2. AI音楽解析ツール7選を機能別に比較
ここまで7つのAI音楽解析ツールを紹介しましたが、文章だけでは機能の違いを比べにくいかもしれません。そこで、ジャンル検出、BPM・テンポ、キーとコード進行、ムード分析、楽曲構成、音声ファイルへの対応という6項目で一覧表にまとめました。用途に必要な機能がそろっているか、比較しながら選んでみてください。
|
ジャンル検出 |
BPM・テンポ |
キー・コード進行 |
ムード分析 |
楽曲構成 |
音声入力・出力 |
|
|
Remusic |
基本的 |
高精度 |
コード解析+一部のキー情報 |
標準的 |
一部対応 |
ファイル読込・ステム分離・MIDI出力 |
|
Fylmio |
基本的 |
エネルギー特性に基づく解析 |
キー検出のみ |
高い |
強弱の変化をマップ表示 |
ファイル読込(MP3、WAVなど) |
|
Cyanite.ai |
高度 |
高精度 |
キー検出のみ |
詳細なムードタグ |
詳細に対応 |
大量の楽曲を一括登録 |
|
BeMusic AI |
基本的 |
基本的 |
キー検出のみ |
音響的特徴のスコア |
エネルギーの変化を表示 |
ファイル読込(MP3、WAVなど) |
|
SONOTELLER |
基本的 |
基本的 |
キー検出のみ |
歌詞・内容を含む詳細分析 |
一部対応 |
YouTubeリンク・検索(アップロード不要) |
|
AI Music Analyzer |
基本的 |
高精度 |
コード・キー情報 |
基本的 |
一部対応 |
ファイル読込・MIDI出力 |
|
Bridge |
業務向け |
高精度 |
非対応 |
業務向けの詳細タグ |
非対応 |
大量の楽曲を一括登録 |
目的別に選ぶなら?おすすめツールのまとめ
どのツールにも得意分野があり、すべての用途に最適な1つを決めることはできません。特に重視する作業に合わせて選ぶのがおすすめです。
- DJ・ライブパフォーマー:AI Music Analyzerはテンポの確認が速く、Camelot表記のキー情報もチェックできます。
- 音楽出版社・シンクロライセンス担当者:Cyanite.aiやBridgeは、大量の楽曲カタログの検索と自動タグ付けに強みがあります。
- 作曲家・ビートメイカー:Remusicならコード進行をわかりやすく確認でき、音楽制作の勉強にも活用できます。
【番外編】Filmoraでミュージックビデオの映像素材をAI解析
ここまで紹介したAI音楽解析ツールは、主に楽曲の音声を調べるものです。ただし、ミュージックビデオを制作するなら、音楽だけでなく映像素材の整理も欠かせません。どのクリップに何が映っているのか、どのカットを採用すべきか、印象的な瞬間がどこにあるのかを把握する必要があります。
映像素材の解析と整理には、Wondershare Filmora(フィモーラ)が役立ちます。Filmora 16に搭載されたAIメディア解析機能では、Qwen3.7 Flashを活用して読み込んだ映像を解析し、キーワード、主な被写体、シーン・場所、説明文、編集のヒント、スコアなどの項目に整理します。大量の動画クリップを扱う場合でも、内容を把握して必要な素材を探しやすくなります。

FilmoraのAIメディア解析には、次のような特徴があります。
- 必要な映像素材をすばやく発見:スコアや評価情報をもとに、見どころのあるクリップと品質が低いクリップを見分けやすくします。
- 動画素材の内容を自動認識:ワンクリックの解析で、人物、シーン、場所、動作、重要な瞬間などを識別します。
- 解析結果を編集に活用:コンテンツのタグや編集のヒントを自動生成し、結果を参考にタイムライン上で調整できます。
Filmoraで動画をAI解析する方法|3ステップで解説
- ステップ1.映像素材を読み込む
パソコンでFilmoraを起動し、「新しいプロジェクト」を開きます。「インポート」をクリックして、解析したい動画を取り込みます。

- ステップ2.AIメディア解析を実行する
読み込んだクリップを右クリックし、メニューから「AIメディア解析」を選択します。

続いて表示される画面で「生成」をクリックすると解析が始まります。

- ステップ3.解析結果を確認して動画を編集する
解析が完了したら、「メディア分析結果」から結果を確認します。

動画をタイムラインに配置し、AIの提案を参考に編集を調整しましょう。この例では、動画の最後に繰り返されている部分をカットすることが推奨されています。仕上がりを確認したら、「エクスポート」をクリックして、完成した動画をパソコンに保存します。

まとめ|AI音楽解析ツールは用途に合わせて選ぼう
AI音楽解析ツールを使えば、楽曲の細かな特徴を耳だけで調べる手間を減らせます。ツールによって、BPM、ジャンル、キー、コード進行、歌詞、ムード、楽器、曲構成、制作上のフィードバック、音楽ライブラリ用のタグなど、得られる情報はさまざまです。自分に合ったAI楽曲分析ツールを選ぶには、コード進行やMIDIデータを調べたいのか、大量の楽曲を分類したいのか、映像制作に合う曲の特徴を知りたいのかを明確にしましょう。
音楽を解析したあとにミュージックビデオを制作するなら、選んだ音楽解析ツールとFilmoraを併用するのもおすすめです。音楽解析ツールが音声の特徴を整理するように、FilmoraのAIメディア解析は映像素材にタグやスコア、編集のヒントを付けて整理します。大量の動画を最初から再生して確認する時間を減らし、編集作業に集中しやすくなります。



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