AI動画ジェネレーターは通常テキストプロンプトから動画を作成しますが、画像から動画を生成する技術も進歩しています。画像プロンプトに対応したAI動画ジェネレーターは、写真から動画を生成するため、クリエイターはより自分のイメージに近い動画を作成できます。
テキストプロンプトによるAI動画生成には限界があり、AIに画像を提供することで、よりイメージに近い動画を入手できます。ここでは、画像プロンプトに対応した動画生成AIを紹介します。
パート 1: OpenAI Soraの画像プロンプトから動画生成の概要
OpenAIは、テキストや画像のプロンプトから動画を生成するAIツール、Soraを発表しました。Soraは誰でも使える動画生成AIで、スキルを持たない初心者でも魅力的な動画を生成できます。Soraはテキスト入力だけで、魔法のようにあっと驚く動画を作成し、複数のキャラクターが登場する複雑なシーンの生成も可能です。Soraはテキストから動画生成機能にChatGPTを使用しています。テキストだけでなく、今後は画像プロンプトにも対応予定です。画像プロンプトとは、テキストの代わりに画像をAIに提供することです。
パート 2: 動画生成の基本的なモデルを解説
画像プロンプトに対応した動画生成AIツールは、適切なアプトプットを出力するために、複数のモデルで動作します。こうしたモデルは内蔵のメカニズムを通じて、生成動画の最適化を行います。では、これらのモデルの技術的な仕組みを詳しく見ていきましょう。
1.敵対的生成ネットワーク(GAN)
画像から動画を生成するAIは、2つのニューラルネットワークに基づいています。ひとつは、ランダムなノイズを加えて、リアルな動画を生成する生成ネットワークであり、もう1つは、生成されたデータが本物か偽物かを区別する識別ネットワークです。生成ネットワークによって、動画ジェネレーターはプロンプトから本物に近い動画を生成し、識別ネットワークは本物と偽物を区別する役割を持ちます。
この継続的な学習と調整プロセスによって、GANは次のフレームを予測して新しいフレームを生成することで、リアルな動画が作成されます。
2.自己回帰モデル(AM)
画像から動画生成するAIモデルを使用すると、フレームごとに動画が作成されます。自己回帰モデルは、前のフレームに基づいて次のフレームを予測するため、過去のフレームのシーケンスを分析して、次のフレームの内容を予測します。
一貫したフレームシーケンスを生成するためには、一般的にRNNやTransformerが用いられますが、フレームシーケンスによってはエラーが生じやすくなります。そのため、自己回帰モデルを使用した場合、長い動画は作成できません。
3.Stable Video Diffusion(SVD)
SVDは実際の動画にノイズを加えて、そのノイズを除去して新しいフレームを取得することで、画像を動画に変換します。次のフレームを生成するために、ノイズのあるフレームからノイズが除去されます。
このプロセスを繰り返して、ノイズを段階的に除去することで、高品質な出力を実現しています。このモデルは自己回帰モデルのエラーになりやすい性質を克服しており、長い動画の作成に適しています。
4.対照的言語-画像事前訓練(CLIP)
CLIPは、画像とテキストプロンプトで他のAIモデルを訓練するディープラーニングモデルです。このAIモデルは、AIが画像とテキストを関連付けて学習することをサポートします。画像と関連する膨大なテキストによるデータセットであらかじめ訓練されています。
CLIPは動画生成モデルではありませんが、他のモデルと併用できます。例えば、テキスト指示に基づいて動画生成を行うGANと一緒に使用できます。
特にSVD(Stable Video Diffusion)は、高性能のAI動画生成モデルとして際立っています。先程述べたように、SVDはフレームシーケンスが大きくなってもエラーを起こさないため、自己回帰モデルと比較して、長時間の動画生成に適しています。さらに、画像から動画生成を行うAIモデルは、高品質な動画を作成するためのトレーニングが少なくて済むことも特徴です。
パート 3: クリエイティブなコンテンツ生成に役立つ画像プロンプト対応の動画生成AI 5選!
AI動画作成モデルの仕組みはご理解いただけたかと思います。これらのモデルを使用して画像を動画に変換する動画生成AIを5つ紹介します。以下のリストを参考にして、クリエイティブなコンテンツ生成に最適なツールをお選びください。
1.PixVerse
シンプルな画像プロンプトから魅力的な動画を作成したい方には、PixVerseがおすすめです。画像プロンプトはテキストプロンプトとの併用も可能です。また、動きの強さの調整や、HDオプションを有効にして、より高品質な動画を生成できます。
生成されたAI動画はテキストプロンプトを使用したアップスケールが可能です。出力が気に入らない場合は再生成も可能です。PixVerseのAIモデルは、GANのモデルと一致していますが、どのようなモデルで動作するのか、正確には分かっていません。
2.Runway
Runwayは最先端の画像プロンプト対応の動画生成AIです。画像プロンプトを追加すると、クリエイティブなタッチに改良できるカメラの動きを追加できます。また、モーションブラシで特定箇所の動きをコントロールすることも可能です。クリエイターは、テキストプロンプトを追加して、自分のアイデアに相応しいビジュアルを入手できます。
モーションブラシ機能で、画像の特定箇所に自動で動きを加えることができます。また、動画生成後に「Extend 4s」オプションを押すと、動画を4秒まで延長できます。(最大で16秒)これらの機能はGen-1とGen-2の2つのAIモデルで使用できます。
3.Pika
SNSで視聴者を惹きつけたいクリエイターは、Pikaの画像から動画を生成するAIがおすすめです。テキストと画像プロンプトを追加して、お好みの動画を作成できます。リップシンク機能に対応しており、動画にAIボイスのナレーションを追加することも可能です。ナレーションの追加には、MP3ファイルをインポート、またはAIボイスを生成します。
カメラ制御や動きの強さの調整などオプションが充実しています。できます。さらに、BGM用のサウンドエフェクトを動画に追加することも可能です。動画生成プロセスに使用されているAIモデルは不明ですが、ツールの動きからGANのようなモデルを使用していると想定されます。
4.Neural Frame
Neural Framesは、画像プロンプトに対応したAI動画ジェネレーターです。画像をアップロードすると、自動的にテキストプロンプトが作成されます。また、Pimp My Prompt機能を使って、プロンプトを改善できます。また、フリッカー(画面のちらつき)や動きを指定してお好みのビジュアルに調整できます。
Neural Frameの最も優れた点は、AIで生成された動画の再生時間を設定できることです。通常の動画生成にStable Diffusionを使用しますが、スタイルによっては最大で9つのモデルを使用します。
5.Leia Pix
Leia Pixは動画の動きを最適化する様々なコントロール機能が特徴的です。動画内の動きの量を変更したり、フォーカスポイントを指定して、アニメーション内のフォーカス領域を変更したりできます。アニメーションスタイル機能を使えば、画像に垂直や水平などの方向やズーム、円形などのアニメーションの追加も可能です。
Leia Pixは2D画像で学習したディープラーニング・アルゴリズムを使用し、画像から動画生成を行うAIモデルはビジュアルの作成に画像分析手法を使用しています。
まとめ
画像プロンプトに対応したAI動画ジェネレーターは、高品質な動画を生成するために、高度なモデルを使用していることが分かりました。この記事では、様々なAIモデルについて解説すると同時に、AIで画像を動画に変換するおすすめのツールを紹介しました。この記事で得た知識を活用して、動画コンテンツの革新にお役立てください。
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