近年、AI技術の進化・普及により、さまざまなAIサービスが登場しています。
数あるAIサービスの中には「AIナレーション」というものもあり、各業界から注目を集めています。
しかし「そもそもAIナレーションとは?」「AIナレーションが使えるツールは?」など、多くの疑問がもたれているのも現状です。
そこで本記事では、AIナレーションについて、概要、おすすめツール、使用方法、メリット&デメリットなどを網羅的に解説していきます!
目次
Part1.AIナレーションは画期的な技術
AIナレーションは、テキスト情報(文字・文章)をAIに読ませられる画期的な技術であり、おもに動画コンテンツに活用されています。
このAIナレーションは「音声合成ソフトウェア」が搭載されており、より“本物”に近い声質で喋ることが可能です。
動画コンテンツで有名なゆっくり解説の「魔理沙・霊夢」「ずんだもん」「四国めたん」などもAIナレーションの一つです。
現在では、上記の他にも、数多くのAIナレーションツールが登場しており、その使いやすさが年々向上しています。
1-1.ボイスチェンジ機能との違い
AIナレーションと混同されがちな技術に「ボイスチェンジ機能」というものがあります。
ボイスチェンジ機能というのは、すでに存在している音声を、低くしたり高くしたりと“違う声”にする技術です。
つまり、AIナレーションとの違いは「音声自体の生成」にあります。
先述の通り、AIナレーションは、テキスト情報をAIが認識し、音声を生み出す技術ですので、ボイスチェンジとは全く異なります。
Part2.AIナレーションが使えるおすすめツール5選【日本語対応/無料あり】
いよいよ本章では、AIナレーションが使えるおすすめツールを紹介していきます。
今回紹介するAIナレーションツールは全部で「5つ」あり、日本語に対応していたり、無料であったりと非常に便利です。
以下で、各概要や特徴などを詳しく解説していきますので、ぜひあなたに合ったAIナレーションツールを見つけてみてくださいね!
2-1.Filmora|豊富なボイスタイプが魅力のAIナレーションツール
「Filmora(フィモーラ)」は、AIナレーションが標準搭載されている動画編集ソフトです。
標準のボイスタイプはなんと「40種類」もあり、多彩な声質から選択が可能です。
さらに「ボイスフィルター」「AIクローン」「AI翻訳」といった、AIナレーションに関連する充実した機能も魅力です。
使い方も非常にシンプルであり、後述で操作手順を解説していきますので、ぜひ試してみてくださいね。
Filmora |
|
特徴 |
・直感的なインターフェース |
代表的なボイスタイプ |
・ヤング |
ツール種類 |
PCソフト |
使いやすさ |
★★★★★ |
その他機能 |
・動画編集 |
料金 |
無料(※有料版あり) |
関連記事:おすすめのAI音声合成ツールBEST5!使う際の注意点も紹介
2-2.Voicebooking|簡単操作が特徴のAIナレーションツール
出典:https://www.voicebooking.com/en/free-voice-over-generator
「Voicebooking」は、テキスト情報をコピペするだけで、AIによるナレーションが生成できるツールです。
16ヶ国語に対応しており、幅広い言語でナレーションを作れます。
また、入力できる文字数は「1,500字」と長い文章でも問題ありません!
Voicebooking |
|
特徴 |
・コピペで簡単 |
代表的なボイスタイプ |
・女性(Sakura・Mitsuko) |
ツール種類 |
オンラインツール |
使いやすさ |
★★★☆☆ |
その他機能 |
・スピード調整 |
料金 |
無料(※有料プランあり) |
2-3.LOVO|高度なAIナレーションツール
出典:https://lovo.ai/
「LOVO」は、本格的なインターフェースが特徴のAIナレーションツールです。
ツール自体、日本語にも対応しているため操作も覚えやすいでしょう。
声質は人間に近く、リアルなナレーションを実現できます。
LOVO |
|
特徴 |
・独自のAIシステムを採用している |
代表的なボイスタイプ |
・ニコール(女性) |
ツール種類 |
オンラインツール |
使いやすさ |
★★★☆☆ |
その他機能 |
・字幕生成 |
料金 |
無料(※有料プランあり) |
2-4.Murf|プロ級のナレーションが生成できるツール
出典:https://murf.ai/
「Murf」は、AI音声ジェネレーターを使用した、プロ級のナレーションが素早く作成できるツールです。
生成されたナレーション音声は流暢な喋りが特徴であり、さまざまなニーズに対応できる点も魅力ですよ。
Murf |
|
特徴 |
・スムーズなナレーション |
代表的なボイスタイプ |
・はな(女性) |
ツール種類 |
オンラインツール |
使いやすさ |
★★★☆☆ |
その他機能 |
・ボイスチェンジャー |
料金 |
無料(※有料プランあり) |
2-5.音読さん|純日本製のAIナレーションツール
出典:https://ondoku3.com/ja/
「音読さん」は、その名の通り、テキスト情報を音読してくれる便利なツールです。
生成されたナレーション音声は「MP3ファイル」として、簡単にダウンロードが可能です。
また、画像からテキストデータを読み取れる機能も搭載されています。
音読さん |
|
特徴 |
・シンプルで使いやすい |
代表的なボイスタイプ |
・アナウンサー |
ツール種類 |
オンラインツール |
使いやすさ |
★★★★★ |
その他機能 |
・声の高さ変更 |
料金 |
無料(※有料プランあり) |
Part3.AIナレーションツールの比較一覧表
本章で、先ほど紹介したAIナレーションツールを比較していきましょう!
下記の比較一覧表をご覧ください!
ツール名 |
Filmora |
Voicebooking |
LOVO |
Murf |
音読さん |
ツール種類 |
PCソフト |
オンラインツール |
オンラインツール |
オンラインツール |
オンラインツール |
おすすめの人 |
AIナレーションを使い動画制作がしたい人 |
豊富なボイスタイプを望んでいる人 |
本格的な操作画面が好きな人 |
AIナレーションをお試しで使用したい人 |
使いやすさを重視する人 |
ボイスタイプの豊富さ |
★★★★★ |
★★★★☆ |
★★★☆☆ |
★★★☆☆ |
★★☆☆☆ |
使いやすさ |
★★★★★ |
★★★☆☆ |
★★★☆☆ |
★★★☆☆ |
★★★★★ |
Part4.【実践】AIナレーションを使ってみよう!【Filmora】
本章では、実際にAIナレーションを作成する方法について解説していきます。
なお、例としてここでは先ほど紹介したAIナレーションツールの中でも、最もおすすめのFilmoraを試用して解説します。
ぜひ、未だお持ちでない方は無料版をインストールした上で、一緒にAIナレーションを作成しながら読み進めてくださいね!
Step1.インポート
まずはFilmoraを立ち上げ、ホーム画面から[新しいプロジェクト]を選択しましょう。
[インポート]を選択して、使用する動画素材をインポートします。
また、ドラッグ&ドロップによるインポートも可能です。
素材がインポートできたらドラッグ&ドロップでタイムラインに移動しておきます。
Step2.テロップの作成
ここでは字幕テロップに対して、テキスト読み上げ機能を適用していきます。
テロップをまずは作成しましょう。
[タイトル]タブから、好きなテロップを追加しても構いませんが、動画内の音声を自動でテロップ化してくれる「自動字幕起こし」を使用すると更に簡単にフルテロップ動画が作成できますよ!
動画クリップを選択して、[自動字幕起こし]を選択。
使用する言語と対象となるクリップを指定した上で、[OK]をクリックして字幕を追加しましょう!
作成した字幕は、一括編集も可能です。
Step3.AIナレーションを追加
いよいよ、AIナレーションを追加します!
ナレーションを追加したい字幕テロップを選択した状態で、[テキスト読み上げ]を選択。
設定画面から声や速度、ピッチなどを選択しましょう。
様々な特徴を持ったAIボイスに加えて、あなたの声をクローニングし、AIナレーションとして再現できるAIクローン機能も搭載されていますよ!
声が決まったら[無料で試す]をクリック。
自動で、AIナレーションが作成され、タイムラインに追加されますよ!
また、Filmoraのテキスト読み上げ機能はAIによる翻訳機能も活用できるため、グローバル展開にも最適です!
Part5.AIナレーションを使用するメリット&デメリット
動画に音声を追加する際、便利で簡単に使用できるAIナレーションですが、良い点だけではなく、懸念点も存在しています。
本章ではそんなAIナレーションのメリットとデメリットをそれぞれ2つずつ紹介していきます。
どちらも把握した上で、使用を検討すれば、後から悔やまず済みますよ!
メリット1.低コスト
第一のメリットとして「低コスト」である点が挙げられます。
例えば今回紹介したAIナレーションツールを使用する事で、非常に低コストでハイクオリティなナレーションが作成できるでしょう。
従来の方法である、プロの声優やナレーターの方にお願いするケースと比較するとその差は歴然です。
また、録音のためのスタジオも準備する必要がありません。
メリット2.手間と時間が圧倒的に少ない
思い立ってから完成するまでの手間と時間が圧倒的に少ない点も大きなメリットです。
やはりプロにお願いするケースでは1ヶ月以上待つ必要がある場合も珍しくなく、打ち合わせなども必要です。
しかし、AIナレーションを使えば、最短その場で思い通りのナレーションが作成でき、微調整も容易です。
手軽さや迅速なスピード感は日常的に動画ナレーションなどを作成する方にとって非常に大きな魅力です。
デメリット1.感情表現や抑揚が苦手
一方でデメリットとして、感情表現や抑揚が苦手である点が挙げられます。
昨今のAIナレーション技術は非常に進んでおり、中には本当に人が話しているのと聞き分けがつかない様なクオリティのAIも登場してきています。
とはいえ、細かい感情表現や微細なニュアンスを的確かつ完全に再現するには至っていません。
そのため、解説系の動画などで使用する分には問題ありませんが、視聴者の感情を揺さぶる、ストーリー系の動画ナレーションには不向きでしょう。
デメリット2.動画クオリティ・信用の低下
動画のクオリティ・信用が低下してしまう恐れもあります。
特に信用の面に関しては考慮すべきでしょう。
例えばあなたが、あなたにとって非常に重要な内容を動画から調査する際、誰かが顔出ししている肉声の動画と、AIナレーションの動画、どちらを信用するでしょうか?
多くの場合、やはり顔を出して肉声を晒している前者が信用できそうだと判断しがちです。
このように、重い内容や、複雑かつ重大な内容を解説する際は、肉声の方が信用されやすい可能性があります。
Part6.AIナレーションに関するよくある質問
最後に本章では、AIナレーションに関してよくある質問と回答を3つ紹介します。
いずれも実際にAIナレーションを作成していく上で気になりがちな項目ですので、ぜひ目を通しておいてくださいね!
質問1.AIナレーションは商用利用できますか?
結論として、商用利用の可否は使用するAIナレーションサービスによります。
そのため、特に商用利用を検討している場合は、使用するサービスの規約をよく読み、商用利用の可否や制限、条件などをチェックした上で進める事が重要です。
また、見落としがちなポイントですが、YouTubeチャンネルなど、現在収益化していないものも、将来的に収益化を目指している場合は商用利用が可能なサービスを選んでおくと良いでしょう。
質問2.自分の声を使ったAIナレーションを作成する方法は?
自分の声を使ったAIナレーションは通称「AIクローン」や「クローニング」と呼ばれます。
本記事で紹介した中ではFilmoraが高度なAIクローン機能を有しており、利用方法も比較的簡単でおすすめです。
また、他にもAIクローンサービスは展開されています。
気になる方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:自分の声で読み上げできるAI音声合成ツール5選|具体的な使用方法や比較表についても紹介
質問3.AIナレーションの法的リスクは?
AIナレーションを利用する上で気になる法的リスクですが、著作権が関連しているケースが存在します。
というのも、AIナレーションの中には実在するキャラクターや声優さん、歌手の方などの声を学習データとしているものがあります。
AIの学習データと著作権や著作隣接権に関しての問題は、現在世界中で議論されており、ケースバイケースで、これと言った結論はありません。
実際に米国では声優のストライキなども決行されており、複雑で難しい問題です。
参考:米俳優組合、ゲーム会社にストの可能性 声優のAI化懸念|日本経済新聞
そのため、一個人として使用する場合は、あくまで常識の範囲内で使用し、少なくとも誹謗中傷など悪意のあるコンテンツやアダルト関連のコンテンツに実在する声優やキャラクターを学習データとするAIナレーションを使用することは避けた方が無難でしょう。
まとめ:AIナレーションを活用して動画作成をより効率的に!
本記事では昨今話題のAIナレーションについて、その概要やおすすめツール、比較表、実際の使用方法など網羅的に解説しました。
AIナレーションをうまく活用することで、今まで手間と時間、場合によっては費用がかかっていたナレーションの作成が非常に効率化できるため、動画のクオリティアップや制作工程の効率化が可能になります。
ぜひ、本記事を参考に、あなたに合いそうなAIナレーションツールを選んで、実際に使ってみてください!
関連記事:おすすめのAI 音声生成ツール TOP 10
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